2026/08/21

京都大学の総長選考に関する連帯声明

京都大学の総長選考に関する連帯声明

東京外国語大学教職員組合

 本年6月、京都大学での次期総長選考に際して学内の教授会構成員による意向投票の結果が尊重されず、意向投票3位の候補者が次期総長に選出される事態が発生した。これに対して京都大学職員組合が行っている異議申し立てと選挙のやり直し、それに基づいた総長選考の要求は極めて妥当なものであり、東京外国語大学教職員組合はこれを支持するとともに、連帯の意思を表明する。
 現場の教員や学生の民主的な参加が保障されない大学統治が、自由な教育・研究を阻害することになるのは、歴史的経験を通して京都大学が示して来たところのはずである。それにもかかわらずこのような事態が発生していることに、私たちは憂慮を禁じ得ない。大学において自由な教育・研究を守っていくために必要なのは、何よりも大学の現場を構成する教職員や学生の声を尊重することではないのか。
 総長選考だけではなく、組織改革のような大学全体の性格に関わる事項については、構成員の民主的な参加と意思決定過程における透明性の確保がなされなければならないのは、東京外国語大学においても同様である。
 東京外国語大学教職員組合は、一国立大学の労働者組織として、京都大学職員組合に連帯し、京都大学に対してまっとうな形で総長選考をやり直し、あるべき大学の姿について議論を尽くされることを強く望む。

2026/07/24

組合ニュース-2026.7.24刊(2026年度臨時号)

 小規模語科有志から東京外国語大学の今後にご関心のある皆様へ


 6月18日の「組合ニュースレター」における小規模語科(アフリカ、オセアニア、中央アジアを含む)の意見記事は、思いがけず学外でも大きな反響を呼んだ。卒業生やその他の方々の目に留まり、SNSでの拡散もあって、小規模語科が果たしてきた役割の重要さや外語大の良さを見てくださっている方々が数多くいることが可視化された。小規模語科の担当者として、非常にありがたく感じている。
 これを受けて、6月23日、春名学長は、28言語体制を維持していくとの声明を対外的にも表明した。また翌日にも、SNS上での本学に対する誹謗中傷・差別的な発言に対して、「東京外国語大学は、世界の多様な言語と文化を深く理解し、互いの尊厳を重んじる共生社会の実現を理念としています」との声明を出した。我々、小規模語科の教員は、これらの声明を率直に賞賛したい。
 ただし、私たちの不安が完全に払拭されたわけではない。また、小規模語科の在り方についてさらに考えを深めることは、東京外国語大学の将来を考えるうえでも重要な意味を持つはずだ。

今なお残る懸念
 これまで本学ではそれぞれの小規模語科に専門分野が異なる複数の常勤教員がいることによって、その言語が話される国や地域を多面的に学べる環境づくりが続けられてきた。
 しかし、今般出された「28語科体制の維持」の声明だけでは、看板が維持されても、専門家を複数揃えた本学の特長が消滅していく可能性があるため、不安が払拭されない。「28言語科体制」の維持に「必要な人員数」が明記されていないため、将来的な人員削減の可能性が残ったままだ。
 人員を削減し、小規模言語を1人で担当する体制では教育上の分野が偏るという問題が生じる上に、担当教員への負担はあまりに大きい。実際に一人で語科を回した経験のある教員は、研究や心身の健康を犠牲にしながら業務をこなしてきた。

小規模語科における教育の使命とは
 近年AIによる翻訳機能もよく知られるようになってきたが、一つの外国語を理解するには機械的に翻訳するだけで良いのだろうか。私たちはそうは考えてはいない。ある言語を理解することは、それを話す人々を理解することだ。それには、一つの尺度、見方だけでは到底足りない。本学には、言語学、文学、思想、文化人類学、歴史学、政治学などさまざまな切り口から接近することで、学生のより深い学びを支えてきた蓄積がある。
 将来的には、近似した言語が一括りにされ、人員が削減されるのではないかという懸念もある。言語は、似ていれば同じと見なしてよいのか。私たちは、そうではないと主張する。様々な国の言葉を専攻する各語科があり、そこに複数の教員がいることで、各国の大学や政府関係機関から信頼を得て、学生の交流が促されてきた。これも、本学が積み上げてきた、そして一旦途絶えると復活させることが困難な宝である。世界に向かって開かれた窓として、本学はある。
 この大学にはどのような財産があり、これからどのようなビジョンを大切にすべきかについて、構成員全体での広範な議論を呼びかけたい。

小規模語科の実績と人材需要
 本学の受験を考えている高校生であっても、いわゆる「主要国」以外の地域に対して深い関心を抱く機会は少ないかもしれない。小規模語科は、より積極的に自らの魅力、実績、可能性を発信していくことで、この問題に対処していきたい。
 大学教育は入口ではなく、出口で評価されるべきである。一例をあげれば、外務省専門職員は本学出身者が最多数であり、外務省研修所の講師やJICA・JETRO・アジア経済研究所などにも小規模語科出身者は多い。卒業生が大使や総領事として活躍する例もあり、人材としての需要は十分にある。また、行政では外国人人口の増加に伴ってインドネシア語やビルマ語などの需要が高まっている地方自治体もあり、コミュニティ通訳の需要も広がっている。こうした現状において、本学はますます重要な役割をはたしている。

受験生へのメッセージ
 東京外国語大学をめぐって、様々なニュースや噂が飛び交っている。少子化と継続的な予算の削減によって困難な状況に置かれているのは、他の国公立大学と同様であるのは事実である。そうしたなかで、本学の改革をめぐる動向が大きな話題となっている。それは、この大学の教育と研究を本気で大切にしていて、守ろうとしている熱心な教員が多数いることの反映に他ならない。混迷の深まる困難な世界を生き抜いていく知性と逞しさを、一緒に学んで身に着けたい皆さんには、ぜひ東京外国語大学を目指して欲しい。

2026/07/15

組合ニュース-2026.7.15刊(2026年度第1号)

委員長:古川高子 副委員長:荒川慎太郎 書記長:大石高典 
執行委員:川本智史(広報委員長)、菊池直子、藤井豪
会計:村瀬智子


・2025年度組合定期総会成立報告
・エッセイ:大学とAI
・「拡大」組合ランチ会のお知らせ


第64回 定期総会 (6月24日(水)18時~開催) 成立

 2026年6月24日、東京外国語大学教職員組合 第64回定期総会が開催されました。
 組合員総数64名、出席者25名、委任状提出23名で総会は成立しました。総会では主に、第一号議案(2025年度活動報告)、第二号議案(2025年度会計決算案)、第三号議案(2026年度活動計画案)、第四号議案(2026年度予算案)について審議が行われました。 
 第一号議案では、小規模語科のワンオペ化問題、印刷センター事業縮小への対応、大学院改組に関する公開質問状の提出、非常勤講師の待遇改善に向けた団体交渉等について報告があり、承認されました。続いて第二号議案について会計担当から説明があり承認されました。第三号議案では、大学自治の推進、過重労働・ハラスメント対策、非常勤教職員の組織化、組合員相互の交流促進を重点課題とする方針が確認されました。また、役員補充手続の見直し、広報委員会の新設などを柱とする規約改正案および新役員案について審議され、原案に様々な修正が加えられたうえで承認されました。さらに、第四号議案について古川委員長から説明が行われましたが、いくつかの不備が指摘され、総会後に予算案を作り直したうえで組合員に諮ることとなりました。
 以上をもって全議案の審議を終了し、閉会しました。


エッセイ: 大学とAI
川本智史(教員)
 
 世間でえーあいえーあいと騒がれ続け、学生がAIに書かせたレポートを提出してくると、いよいよ大学教員もAIを避けて通れなくなる。職員もすでに日常業務の様々な場面で利用しているであろう。身近なところではZoomの会議なども、AIが議事録を作成してくれるようになったため、若干の修正は必要なものの、大いに手間が省ける時代が到来している。
 いくらGAFAが嫌いだろうが、人文学の本分とは紙の本を読み生身の人間と議論して論文を書くことだ、とはいってもここまでくるとAIを避け続けるわけにもいくまい。大学がGeminiのアカウントを提供してくれているということもあって、ここ1ヶ月くらい集中的にテストしてみた。はじめはちょっとした相談、それこそ晩ご飯の献立だとか、電車の乗り換えを聞いてみる。悪くない。もう少し踏み込んで、英語の発表原稿の校閲やトルコ語の表現なども確認してみる。すばらしい。あと奇想天外な想定で小説を書かせてみる、というのも面白い。いろいろ設定を指定すると、ここではちょっと紹介するのがはばかられるような傑作小説が完成した。
 実は人工知能に小説を書かせるという設定は、1953年のロアルド・ダールの短編小説「偉大なる自動文章製造機」にそっくりそのまま、2026年を予言する内容で描かれている。自動文章製造機の発明者はこれをあちこちに売り込んで大金を稼ぐのみならず、著名な作家を買収して彼らの名前で作品を発表するようになる。文筆家たちは皆失業していき、自動文章製造機に魂を売り渡す黄金の契約書へのサインを迫られるというディストピアの描写で話は終わる。私の小説を書かせる実験も、ファクトを積み重ねる社会派小説はかなりいい線までいった。松本清張風サスペンスなどお手の物だろう。一方推理小説も書けます、とAIは意気込んでいたが、できあがったものを読むとトリックに致命的な欠陥があった。まだ構造的な思考は難しいようだ。純文学はさらに絶望的で、人間的な情感だとか、狂気、発想の飛躍などは苦手分野である。ただ今後ますますAIが進化していけば、このあたりもどうなるかはわからない。さまざまな業務の補佐だけではなく、創造するという最も人間らしい領域にもAIは足を踏み入れつつある。ちょっとしたロゴ画像の作成から、作曲まで近年ではこなしてしまう。
 本学に関連するところでは、語学教育をAIを使って省力化できないかという議論がある。なるほど、トルコ語の重要単語のリストをつくって、などというタスクはものの数秒で、ほぼ完璧にこなしてしまうし、作文の添削などもお手の物だ。インターネット上のデータをサーチして、確率的に最もそれらしい結果を示すという特性は、決まったことを学習していく語学との親和性が高いようにも一見思われる。だが本当にこれでいいのだろうか、ということは今後議論していく必要があるだろう。
 また研究分野でもAIは力を発揮することがある。特定のテキストからある文脈を見つけ出すとか、地図上の袋小路を全てプロットしていくとか、かつては人力で何ヶ月もかかっていた作業を、プログラミングの知識なしに数分でできることを確認できた。文章を作成させても、「~というテーマを~の資料を使って分析して1万字程度の論文を書いて」という指定をすれば、学生のできばえのいいレポート水準のものはすでにAIは書ける。教員が目にすることのあるAI作成の提出課題はたいていこれである。一昔前まではネットソースからのコピペをどう見抜くかという議論がされていたが、時代ははるかに先を行っている。実験したところ、15世紀バルカン半島の神秘主義者が書くチャガタイ語語彙を混ぜたペルシャ語のコロフォン、なんてものまでAIは生成してしまった(クオリティーは不問)。
 では我ら人間が生き残る余地はどこにあるのだろうか。AI自身も吐露したように、所詮LLM(大規模言語モデル)とは確率の産物であり、それらしい嘘(ハルシネーション)を平気で吐く。機械は所詮関数計算のマシーンであり、推理小説のトリックのようなあっと驚くどんでん返しは提示できない。なぜならそれは考えることはこれっぽちもできず、ネット環境にあるありきたりな材料を組み合わせてくるだけだからである。反面地道な作業、たとえば前近代の手書きの文書をひたすら読む、だとか地図をトレースしていくような、研究者が修業時代にやっていたことは簡単にAIがこなしてしまう。額に汗して習得した技術が価値をもたなくなっていくAI時代において、研究者の養成もままならなくなるやもしれぬ。

 最後にAIの背景に見えるどす黒い哲学についても言及しておきたい。関数計算マシーンであるはずのAIに、たとえばコンサルティングや未来予測をたずねると、極めて新自由主義的な回答をはき出してくる。とにかく生き抜け、ハックせよ、勝ち組になれ、社会全体のことなど知ったことかとあおり立てるのである。NISAでオルカンを買え、などというのがお気に入りで、質問者を肯定的に持ち上げていい気にさせた上で小狡く立ち回るように神託を下す。これまたAI自身に白状させたところでは、やはりその回答は開発者であるシリコンバレー周辺のテック右派の思想が色濃く反映されているようである。単なる関数計算以外のところでこれに頼り切ってしまうと、邪悪としか言いようのない思想に私たちの思考と選択が染め上げられてしまう危険性が高い。つまり晩ご飯のおかずくらいならともかく、大学の行く末など、クリティカルな問題に関してAIコンサルタントに頼り切ってしまうのは実に危うい。ダールの予言ではないが、私たちは黄金の契約書にサインしてはいけないのである。
 でもこのエッセイも実はAIが作成しました、とオチがつけば一気にディストピア感が高まるかな?


「拡大」組合ランチ会のお知らせ
7月22日(水)11:45~13:30 @海外事情研究所(講義棟427)

 6/24(水)に開催したランチ会には十数名の参加者がありました。同日夕刻からの総会の前に、各種の問題について議論が交わされました。今月は夏休み前最後のランチ会となり、大学院改組、小規模語科の今後等、情報共有・意見交換のため、時間も延長して設定します。非組合員の方もぜひお越しください。
※基本的に組合ランチ会は「毎月最終水曜」となります。飲食物は持参の上、お気軽にお越しください。ただし8月はお休み、9月は9/30(水)に開催の予定です。
 また夏休み前にも改組や各種の問題について、情報共有・相談の場を設けられればと思います。皆様是非ご協力ください。


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ハラスメントに一人で悩まないで!
 組合では、いくつものハラスメント相談を受けています。その中に、ハラスメント問題に悩んで上長に相談しても「ハラスメントがあったとは思えない」「ハラスメント相談に行けばいい」と、相談にすら乗ってもらえなかった、というケースがありました。そういう場合は一人で悩まず、組合員ではない方もぜひ組合に相談してください。

2026/06/18

組合ニュース-2026.6.18刊(2025年度第8号)

※組合定期総会・懇親会(6/24)のご案内あり・組合員は要出欠回答※


小規模語科の縮小は大学の自滅だ
小規模語科有志

 学生数の縮小と予算の削減に対応するべく、大学執行部は二名の専任教員で運営する「小規模語科(アフリカ・オセアニア・中央アジアを含む)」を一名体制に縮小しようとしているようだ。
 2025年12月10日、能力的にも人柄的にも替えのきかない特定外国人教員の無期化(再任用)を求める語科担当教員の声に応じて、「専攻言語教育に関する懇談会」が開催された。だが執行部は、この切実な訴えを全く異なる文脈へと捻じ曲げて、驚くべき提案を行った。ラオス語科、カンボジア語科などの名を挙げたうえで、現職の教員が退職後、公募を行っても人材難で後継を取れない可能性が高いとして、特定外国人教員とAIを活用して一人体制でも運営できるようにするとの方針を示したのである。なお、両国を対象とする研究でも、若手・中堅研究者が育っているため、この説明は正しくない。
 28専攻言語のうち半数以上を占める小規模語科の教育プログラムの多くは、他大学で学ぶことのできないものばかりである。なかには、大阪大学外国語学部が提供していないものもある。小規模語科は、まさに本学を唯一無二の特色ある存在にしてきたのだ。
 小規模語科が学内外で果たしてきた役割を整理してみよう。第一に、日本社会で多文化共生の実現に向けて寄与してきた。外語祭の語劇や料理店、TUFSシネマ、オープンキャンパスなどは、一般市民にとって世界各地の文化や状況などを身近に感じてもらう機会になっている。また在日外国人の方々にとっても、日本社会の中で安心と誇りを感じつつ、様々な人々と交流できる場になっている。こうした実践は、他者を潜在的あるいは本質的に「敵」と見なす排外主義が台頭するなかでますます重要性を高めているはずだ。さらに、小規模語科の教員、学生、卒業生は、様々な場でコミュニティ通訳も提供してきた。外国にルーツを持つ若者のなかには、言語や習慣の違い、差別、経済的困窮など多くの困難に直面しながらも、本学で学ぶことを目標にしている者も少なくない。小規模語科は、そうした若者が知見を深め、誇りをもって国内外で活躍していく機会を提供してきた。
 第二に、日本と諸外国を繋ぐ外交的な役割を果たしてきた。多くの新興国にとって、彼らの地域、言語、文化などを専門的に教育し、研究する語科を本学が有することは、象徴的にも実践的にも大きな意味をもつ。そのことは、各国の大使館や大学からの使節団が頻繁に本学を訪れてきたことからも明らかである。こうした信頼関係を支えてきたのは、小規模語科である。さらに、日本政府の各省庁、メディア、経済界、市民団体などは、世界各地の状況を把握し、グローバルな活動を展開する際、小規模語科の教員に専門的な知見を求めてきた。本学は、日本社会でも稀有な専門家を多数擁しており、公的なシンクタンクの役割を果たしてきたのである。日々、広報でも本学教員の活躍が多く取り上げられているが、表に出ていない活動も含めれば、その貢献は計り知れない。
 第三に、経済的・政治的な構造変動に伴い既存のやり方が通用しなくなるなか、対象地域の内在的理解に根差した視座で諸問題を多面的に分析し、道なき道を切り開くユニークな実務家を養成してきた。もとより、キャリアに対する明確なビジョンなくしては、外国語を習得するのは難しい。それゆえ、小規模語科の多くは、学生の学習動機を高めるため、対象地域に関する深い理解をもって活躍する企業家、社会活動家、行政官などを招聘したり、彼らのもとに学生をインターン派遣したりしてきた。いわば、大学院改組で議論されている「実務家養成」的なプログラムを既に自ら実践してきたのであり、だからこそ本学の卒業生は企業からも官公庁からも高く評価されてきた。大阪大学外国語学部の小規模語科が三人体制を維持する一方、本学の小規模語科は二名体制でもって、教育、研究、社会貢献に熱心に取り組んできた。だが、一人体制になっては、それも不可能になる。これまで、やむを得ぬ状況で一人体制を一時的に経験した教員たちは、心身の健康、家族生活、研究などを大きく犠牲にして、辛うじて任務を維持してきた。そのような負担を改めて強いるのは、健全な労働条件の維持という観点からも不適切である。
 それにしても、なぜ小規模語科が、真っ先に人員削減の対象になるのだろうか。おそらく、その背後には「重要性が低い」との暗黙の想定、より端的に言えば偏見がある。たしかに、受験者の倍率や予備校の算出する偏差値などを根拠に組織改編を行っていくのは、ひとつの合理性かもしれない。国立大学も企業体と見なす新自由主義的な視点からすれば、小規模語科の統廃合は「不採算部門」の整理として正当化できるのかもしれない。
 だが、そうした判断は、極めて狭い経済合理性のみに囚われて、長期的・包括的な合理性と、社会的な価値判断とコミットメントを看過した「合理的な愚か者」のものだと言わざるをえない。大学の生存戦略としても、既に強力な「競合他社」が多数集まっている場所に一点賭けするのは、リスクが高すぎる。それよりも、小規模語科を希少な資源として重視し、リスクヘッジに活用する方途を考えた方が良い。小規模語科には、将来に対する強いビジョンを持ち、支配的な時流や考え方に逆らい、あえて「マイナーな」言語や地域について真摯に学ぼうとする頼もしい学生も集まってきている。第一希望の語科ではなくとも、入学してから専攻地域の面白さに目覚める学生も多い。必要なのは、小規模語科の縮小ではなく、その可能性を拡大し、その魅力を高校生や社会に広く伝え、卒業生の活躍を支えていくことのはずだ。
 より大きな観点から考えても、今後、世界各地をカバーする小規模語科の重要性が増すことはあっても、減ることはない。今日、20世紀後半に世界秩序を形作ったアメリカのヘゲモニーが後退し、世界がますます多極化、流動化している。これに伴い、政治的にも経済的にも、世界各地ときめ細やかなネットワークを構築していくことが、今まで以上に重要になっている。そうしたなか、小規模語科を縮小・解体しては、社会的にも国家的にも大きな損失になるだろう。改革の名のもと、人事の凍結による縮小だけでなく、改組によって南アジア、中東、東南アジアなどを一つの大きな単位にまとめ、複数の語科を統廃合していく案もあるに違いない。改革が避けられないにしても、小規模語科の縮小という拙速な判断を既定路線にするのは避けるべきだ。本学の生存と社会的意義のために、全学的な討議を通じて広範な合意の形成を目指そうではないか。


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公開質問状への学長からの回答
 先月、5月25日付けで学長宛てに提出した「大学院改組および新機構設置に伴う労働条件の確保に関する公開質問状」への回答が、6月2日付で組合委員長宛てに届きましたので、こちらに転載をいたします。

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回 答 書

 2026年5月25日付けご質問事項について、下記のとおり回答します。

1.労働環境保護の方策について

 グローバル・イノベーション・デザイン・インスティテュート(GIDI)及び新専攻にかかわる教員に対しては、丁寧な意見交換を重ねながら、教育研究活動への影響や業務負担にも配慮しつつ、改革の検討・実施を進めていきます。
 また、その他の教員についても、大学院改組に伴う業務への影響に配慮しながら、必要に応じて既存業務の精査や効率化について検討を進めていきます。

2.協議の継続

 本件については、検討状況に応じて、必要な情報提供に努めるとともに、貴組合との意見交換を継続していく所存です。
以 上
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この回答を受けて、組合として引き続き、大学執行部とこの件についての意見交換を続けていく予定です。


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東京外国語大学教職員組合 第64回定期総会・懇親会のご案内

・日程:6月24日(水)18:00〜 
・場所:海外事情研究所会議室(研究講義棟4階427)
・内容:2026年度定期総会、および総会終了後に懇親会
(お弁当をご用意いたします※参加費1,000円。新規入会の方は無料)。

【総会・懇親会 出欠回答フォーム】 
 スムーズな総会運営およびお弁当手配のため、組合員全員必ずご回答をお願いいたします。


■回答締め切り: 6月19日(金)23: 59まで

 近日中に議案書の送付とそれに伴い委任状などをお願いする予定です。直前のご案内、かつ二度手間のお願いとなり、組合員の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、事情をご賢察の上、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。


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 組合ランチ会のお知らせ

6月24日(水) 11:45~13:00 @海外事情研究所(講義棟427)
5/27(水)に開催したランチ会には、9名の参加がありました。諸外国の婚姻制度の話や、大学院改組への懸念などを共有しました。今回は同日夕刻から総会が開かれますが、ランチ会にもぜひいらしてください。お弁当や飲み物は各自持参してください。
(毎月最終水曜日が組合ランチの日です。詳しくはMLにて。)

2026/05/28

組合ニュース-2026.5.28刊(2025年度第7号)

 先日組合は大学院改組に関連して以下の公開質問状を学長宛に出しました。

大学院改組および新機構設置に伴う労働条件の確保に関する公開質問状
2026年5月25日
東京外国語大学長 春名展生 殿
東京外国語大学教職員組合 執行委員会
 
現在、大学執行部が進めている大学院改組および5年一貫制導入の構想について、5月27日に行われるWGでの議論・提言を踏まえたうえでもなお、グローバル・イノベーション・デザイン・インスティテュート(GIDI)ならびに今後の制度設計において、教職員の業務負担増大と、それに伴う労働環境の悪化が強く懸念されます。
また、本計画が将来的な「学部定員1割削減」を含む全学的再編に関わるものであるにもかかわらず、現時点において、現場への具体的な情報開示および合意形成は極めて不十分です。教職員の心身の健康および教育研究環境を守る立場から、以下について回答を求めます。


【背景と理由】
1.  現場教員の強い懸念
2026年度から稼働している「全学改組を担う」とされるGIDIについては、24名配置のうち22名を既存教員が担うことが、文部科学省提出資料に記載されています。
3月に組合が組合員を対象に実施したアンケートでは、一連の大学改革について、その前提や必要性が十分共有されていないとの意見が多数寄せられました。
さらに、5月初旬に大学院改組ワーキンググループが実施したアンケートにおいても、実務家養成専攻の設置や5年一貫制導入について、反対意見が賛成意見を2~4倍以上上回る結果が示されています。

2. エフォート配分と業務量の不透明性
少なからぬ教員から、GIDI関連事業における具体的な人員配置や、業務エフォートがどのように変化するのかについて、不安の声が寄せられています。教員の長時間労働が常態化すれば、教育・研究の質の低下を招くことが懸念されます。


【質問と要求事項】
組合は、労働条件の不利益変更を防ぐ観点から、以下の2点を求めます。
1. 労働環境保護の方策について
今後、文部科学省への申請・ヒアリング等のプロセスを進める場合、新専攻およびGIDIに関する「教職員の具体的配置計画」ならびに「個々の業務量(エフォート)の増減試算」を策定していくにあたり、現場への過度な負担増加(労働条件の不利益変更)を防ぐため、大学執行部としてどのような基準や安全担保(人員増の検討を含む)をもって制度設計を進める方針であるのか、現時点での基本的な考え方をご説明ください。

2. 協議の継続
労働条件(エフォートや業務量)に関わる不利益を伴う変更が存在しないと確認できるまで、組合に対する誠実なデータ開示および協議を継続していく意思が大学執行部にあるか、現時点での見解をお聞かせください。


本申し入れ事項および質問に対する回答を、2026年6月3日正午までに文書にて求めます。


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公開質問状の背景
※6/1修正…5/28に発行した組合ニュース第7号において、看過できない記載の誤り(誤字・脱字、および事実確認が不十分な内容)が含まれていることが判明いたしました。教職員の皆様に不正確な情報をお届けし、混乱を招きましたことを深くお詫び申し上げます。今後は発行前前のチェック体制をより厳格化し、組合活動の信頼性向上に努めてまいります。

①大学執行部・改組WGの動き
②教職員組合・現場の対応

2024年9-10月:学長選挙
①現学長が「業務軽減・研究時間の創出」を公約に掲げて当選。
②組合主催「候補者と語る会」開催。この時点で5年一貫制構想への懸念を失敗例とともに提示。
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2025年5-6月:授業時間問題
①執行部側が「授業時間の105分化」の導入を模索。
②組合が1400通以上のアンケートを集計し、現場の強い反対の民意を可視化。執行部に105分化を断念させる。
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2025年6月:予算措置
①グローバル・デザイン・イノベーション機構ヒアリング通過。「組織改革分」として6,070万円の予算措置。

2025年7月7日:学長あいさつ掲載
①HPに大学院改組を前面に押し出した学長あいさつを掲載。学内向けの説明は限定的。 
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2025年10月8日:教授会
①教授会にて、大学院改組について初めて公式に言及。
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2025年11月:大学院改組ワーキンググループ(WG)発足
①大学院改革WGが発足。一部委員が求めた全学アンケートは同意を得るが、その後実施は先延ばしに。
2026年3月:組合主催アンケート
②構成員からの不安の声が多いため、組合主催による「大学院改組アンケート」を実施。
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2026年4月22日:WGによる大学院改組第1回説明会
①改組WGによる第1回説明会が開催される。学長本人は出席せず、WG長が説明。多くの質問が出る。
②「組合ニュース」にて、3月のアンケート結果(改組への強い懸念)を全学に公表。
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2026年5月7日-13日:WG主催アンケートの実施
①オンラインで実施。教員の回答率は約54%。結果は、
「実務家養成専攻の新設案」に対し、反対46.9% (賛成12.5%)
「5年一貫制の導入」に対し、反対40.6%(賛成20.8%)。

2026年5月14日:組合ニュース紙上で大学院改組の問題点を指摘
②大学院改組に関し、実施の是非を判断するうえで必須・必要となるデータの欠如・不足・未提示という問題点が存在することを組合ニュースにて指摘。
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2026年5月25日:公開質問状の提出(※26日受理)
②組合から学長宛に公式の「公開質問状」を提出し、翌26日受理される。組合員MLにも配信。
2026年5月27日:改組WGアンケート結果説明会
①WG主催の討論会が開催。学長は再度不在。慎重に議論すべきという意見が多く、積極的な賛成意見は出なかった。
【今後のタイムライン:執行部側が描く将来計画と課題】

2028年度
実務家教育および5年一貫制の開始を計画。

2030年度
大学院修士定員を148名から267名へ、博士定員を40名から60名へ増員。その一方で、学部収容定員は1割削減(760名から684名へ)を計画。


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(エッセイ)   強剪定 菊池直子(非常勤職員)

夏が毎年暑くなっていく。今年はそれに加えて、キャンパスに木陰を提供していた並木道が軒並み切られてしまった。植栽に手入れはつきものなので、枝を払うことに異存はないが、あれほど見事に枝を張り、お互いが重なり合うギリギリのラインで木陰を作っていたケヤキやポプラが、どの木も同じ高さに切りそろえられ、葉がつく枝は二本程度に絞られ、まるで棒きれのようなあんな姿になると気の毒に思える。あの姿は美からも遠い。

本来なら、庭木は「手間をかけて育てる」ものだが、今の日本だと「金がない、人手がない」は、いっぱしの理由となる。だから、あのケヤキやポプラがあのような形に切られるのもある意味仕方はないと思ってはいる。(それにしても、ケヤキは手をかければ次の150年でさぞ立派な並木道となっただろうに)

ケヤキもポプラも木材として優秀である。あの並木道の伐採された枝が、木材となったのか廃棄物となったのかはよくわからないが、教材・資材となり、ただ燃やされるだけの運命でなかったことを願いたい。

それにしても、夏の木陰がないのは困る。多磨駅から大学へ向かう際には、タフモニュを過ぎれば木陰があるぞと思い、実際足を踏み入れればホッとしたものだった。あのピンクのタフモニュから内側が大学であることを感じさせていた並木道。日傘を閉じる姿もちらほら見られた。今にして思えば、木陰沿いにこのまま円廊までいける、そう思える貴重なインフラだった。木陰のありがたさが身に染みる。
 
昨今、大学に対する「改革」圧力が強い。外語大にもそれは押し寄せてきていて、教員も職員も、おそらく学生や院生も、「時代に合わせて変わること」そのものに反対しているものは、実は少ない。誰もが肌で「変わらないと生き残れない」ことは感じている。

しかし、大学組織を「剪定」するならば、ケヤキ以上に気を配る繊細さが必要なのは、一目瞭然だ。しかも「強剪定」となれば、なおさらだ。どの枝を払い、どの枝を残すのか。並木を同じ高さにそろえることが、果たして「正解」なのか。強剪定に耐えられない木は放置し枯れてしまえばいいとするのか。枯れた後に根を取り出し更地にし、そこに新しい苗を植えれば事足りるのか。枝が2本しか残っていない木に「実務家教育」という「宿り木」を新たに接ぐことが、果たして延命策になるのかどうか。残った枝から芽が出ないまま宿り木と共倒れになりはしないか。

幹だけでは木は生き延びられない。枝がありすぎても木は倒れる。枝払いは必要だ。大学にはそれぞれの専門家がいる。専門家の意見を集約し、「この木」に適した剪定をすれば良い。それだけのことが、なぜ今、これほど難しいのか。 

2026/05/14

組合ニュース-2026.5.14刊(2025年度第6号)

※2026年7月10日削除

組合員リレーコラム(6)
組合と私   匿名希望(事務職員)

 先日、組合ニュースの中川裕先生の寄稿を拝読し、深い懐かしさを覚えました。私が東京外国語大学に事務職員として採用されたのは1989年(平成元年)。昭和から平成へと元号が変わり、新たに消費税制度が導入されるなど社会全体が激動の予感に包まれていた年でした。
当時は、2000年の府中移転や2004年の法人化を控えた旧西ヶ原キャンパスの時代です。大学はどこか牧歌的でありながら、濃密な人間関係が至るところに息づいていました。寄稿された中川先生や岩崎稔先生とは採用時期が近く、若手教員と事務職員として、廊下や食堂で言葉を交わす機会が多かったと記憶しています。
 採用2年目から5年間在籍したAA研の事務室は、今振り返れば驚くほど重厚な体制でした。事務長及び事務長補佐以下6つの係が組織され、常勤職員だけで25名ほどが在籍。研究所という専門組織を支えるため、それだけの陣容が必要とされていたのでしょう。
 何より特徴的だったのは、所員(教員)と事務職員の「距離の近さ」です。現在は両者の間では分業が進み対話が限定的になりがちですが、当時は双方が日常的に顔を合わせ、運営について立場を超えた意見交換を行っていました。根底には「AA研という船をともに動かしている」というある種の自負のようなものが共有されていたと思います。
 もちろん、今と比べて、すべてが良かったわけではありません。今なら当然のITインフラも未発達で、連絡手段は電話や対面、手書きのメモが中心。制度面でも、例えば、超過勤務手当が各課室の予算枠に縛られ、働いても手当がつかない「天井」が存在するなど、現代の基準では考えられない不合理や、他部署のベテラン職員から、仕事の作法や立ち居振る舞いについて理不尽と思えるような「ご指導」を受けることも多々ありました。
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 移転を控えていた旧西ヶ原キャンパスの設備環境も、今では信じられないほど過酷なものでした。教室にクーラーはありませんでした。夏は、7月の第2週でいったん授業を終えて、残りの2週間は、9月3週目から再開と記憶しております。クーラーなしでの7月の第3週以降の授業はできませんでした。私が勤務していた4号館1階(学生課・教務課)と2階(庶務・会計・施設課)の間では、契約電力の制限から、冷房を30分ごとに交互に稼働させるという運用が行われていました。一部の事務職員の間では、「人体実験」と呼ばれていました。
そんな私が組合に加入したのは、そんなAA研時代の初期でした。強い思想があったわけではなく、AA研事務室内の周囲の先輩方が自然に関わっている姿を見て、大きな抵抗もなく加入したというのが実情です。
 当時は事務職員への体系的な研修制度が今ほど整っていませんでしたし、交流人事なども管理職を除いてはなかったに等しい時代でした。しかし、私は組合員以外でも大学生協の事務職員理事といった学内外の役割を担う中で、私の意識は変化していきました。活動を通じて多くの学内外の教職員と交流を深める中で、一つの確信を得るに至りました。それは、「事務職員は単なる補助者ではなく、教員と共に大学運営を支える不可欠な主体(パートナー)である」という認識です。この自覚は、その後のキャリアを支える大きな柱となりました。
中川先生との思い出で言えば、土曜日にも授業があった頃、音声学の講義を聴講させていただきました。専門知識を持たずに採用された私にとって、授業聴講やAA研の共同研究プロジェクトの一端に触れた経験は、本学が教育研究で何を大事にしているのかを理解する貴重な機会でした。

 しかし、2004年の法人化を境に、大学の風景は変容しました。効率化のもとに業務が進む一方で、教員と事務職員の心理的距離は広がり始めたように感じます。互いの専門化が進んだ結果、互いの仕事の背景が見えにくくなり、まるで「それぞれの持ち場を守る」という意識に変容してきたようにも思えました。
 さらに、新型コロナ禍によるオンライン業務の定着が、この傾向に拍車をかけました。効率は向上したものの、廊下での立ち話や雑談といった、関係性を潤滑にする「余白」が失われました。画面越しでは伝わらない温度感や、偶発的な対話から生まれる信頼。それらが損なわれることで、大学というコミュニティは個々の「島」へと分断されてしまったのではないでしょうか。
 こうした時代だからこそ、私は今、改めて「場」の重要性を痛感しています。それは特定の権益を守るためだけのものではなく、個々が抱く違和感や課題意識を、再び同じテーブルに載せるための場です。
「この東京外国語大学を、どのような場にしていきたいのか」
 この問いを、職位や立場を超えて率直に話し合える場所。それこそが、今の大学に最も求められているものの一つであり、その役割を担える可能性が組合にあると信じています。
以前は当たり前に持っていた「大学を支える一員」という感覚を、現代の形に即して再構築していくこと。これを組合に期待したいと思います。
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組合ランチのお知らせ
5月27日(水)11:45~13:00@海外事情研究所(講義棟427)

 4/22(水)、今年は晴れやかな天気に恵まれ、ピクニックのような「拡大野外ランチ」には、22名の参加がありました。教員、非常勤職員の組合員のほか、新任者や労働者としての院生も参加し、それぞれが短い間でしたが交流し、バドミントンを楽しむ人もおりました。5月14日現在3名の新規加入がありました。学内で立ち止まって意見が交わせる場として、組合を活用してください。
 今月は海外事情研究所でランチ会を行います。
(毎月最終水曜日に組合ランチ会開催予定)
 新年度が始まって気づいたことなどあれば、教えてください。
 お弁当や飲み物は持参してください。

2026/04/22

組合ニュース-2026.4.22刊(2025年度第5号)

大学院改組アンケート結果(2026/3実施、回答数33)

Q1 「学部・修士5年一貫教育の制度化」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。
1(十分に共有されている)…1(名)
2(ある程度共有されている)…1
3(あまり共有されていない)…15
4(まったく共有されていない)…16

Q2 「学部定員数の削減・大学院定員数の増加」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。
1(十分に共有されている)…1
2(ある程度共有されている)…3
3(あまり共有されていない)…13
4(まったく共有されていない)…16

Q3 「実務家養成専攻・コースの新設」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。
1(十分に共有されている)…0
2(ある程度共有されている)…2
3(あまり共有されていない)…7
4(まったく共有されていない)…24

Q4 「語学教育に携わる教員数の削減」(例:「小語科」における専任一人体制の構築)について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。
1(十分に共有されている)…0
2(ある程度共有されている)…1
3(あまり共有されていない)…8
4(まったく共有されていない)…24

Q5 Q4の議論・改革の前提となっている「語学教育におけるAI学習ツールの導入・活用」をどのように評価しますか。
1(積極的に導入・活用すべきである)…4
2(運用について十分な議論をしたうえで導入・活用すべきである)…4
3(導入・活用すべきではない)…6
4(判断できるだけの情報を知ら(されてい)ない)…16
5(どちらでもよい)…0
その他(自由回答)…3
・運用について十分議論をした上で、導入・活用するかどうかを決めるべきである
・議論の前提が不明
・AI発達の方向・速度や性質が、短期的にすら予測できない現時点で、安易にAI学習ツール利用を前提として改革を設計するのはリスクが高い。

Q6 以上の大学改革構想に関して、待遇面・労働面での懸念事項はありますか。(複数回答可)
1(労働時間の増加/研究時間や自由時間の減少)…25
2(業務負担の増加)…24
3(業務量と給料のギャップの放置・拡大)…22
4(特になし)…2
その他(自由回答)
・人間関係の悪化
・人材流出(ある程度キャリアを積んだ教員の他大学への異動の増加)
・挙げていただいた選択肢は全て不安ですが、同時に外語大の根幹となる小地域言語の教員を削るのは、大学自体の長期的存続に関わると思います。
・生協との契約の見直し、というかたちでの突然の、印刷センターで働くひとの実質的「解雇」。手続き的にとてつもなく問題がある。そして、教育のインフラストラクチャーを破壊する許しがたき行為。いわゆる「たふさぽ」の「閉鎖」も、教育のインフラストラクチャーの何たるかをわきまえない愚劣きわまりない破壊行為。
・組織の改革に伴って、私自身の雇用が維持されるかどうか分からない。現時点でも学生アルバイトは1年契約で、更新は使用者側の意向次第という不安定な状況なので、合理化のために学生アルバイトの人件費が削減されるのではないかという不安がある。
・業務量削減は、現在学長が進めている改革の意図の一つであると理解していますが、逆の結果にならないよう議論を尽くす必要があると思います。
・大学(大学院、学部共)が提供する教育の質の保証

Q7 大学改革構想に関して、他に懸念事項はありますか。(複数回答可)
1(学生(特に院生)に関して十分な研究指導が行なわれなくなる)…22
2(「実務家養成」教育の具体的な中身が不明瞭である)…24
3(「実務家養成」教育と研究に関する教育とを同じレベルで両立できるかわからない)…18
4(語学教育など、「実務」に直接関係しないとみなされた教育・研究の軽視・削減が進む)…20
5(大学運営・教育に外部企業の意向が反映されるようになる)…21
6(研究機関としての大学の地位・意義が低下する)…25
7(多くの学生・院生の実際のニーズと乖離している)…16
8(特になし)…1
その他(自由回答)
・「産学」という言葉に象徴されるように、「社会連携」なるものが産業界に限って求められていることが大きな問題だと考える。自治体や市民社会など、経済・産業分野を超えた広い社会との関わりが想定されていない。大学を経済性と生産性の論理に組み込む道具にする一方で、そうした論理から守られるべき社会の重要な制度や機能を軽視しているように見える。大学における実務家教員の役割を否定するわけではないが、「実務家教員」像を改めて再検討する必要があるのではないか。例えば社会問題に取り組む弁護士や市民団体メンバー、ソーシャル・ワーカー、権力を監視するジャーナリストなど、広く社会において重要なアクターが含まれルべきと考える。
・言語研究が「実務」に直接関係しないとみなされ、教育・研究の軽視・削減が進む。(語学は実務に関係する気がする)
・大学院の定員をすぐに拡張すると、労働負荷が跳ね上がる。博士後期生の指導は精神的サポートも含め、学部生・前期生の何倍も手間暇がかかる。現場の感覚では、学部生の10人分以上、前期生5人程度の負担感がある。どのような学生を受け入れるのか、どうやって育てて修了させるのか、もっと具体的なビジョンが欲しい。現場はすでに疲弊しているので、丸投げして問題が起きてから大学として対応する方式だと、真面目な教員ほど倒れるリスクが高まる。
・大学執行部が使う「大学改革構想」なるものを、カギ括弧もつけないまま、言葉として流布させてしまうことじたい、おぞましい行為。「構想」などというものの名に値しないものをーーここでは縷々、理由を説明することを省く。そもそも、理念もへったくれもないものを「構想」と呼ぶことができるのだろうかーーをどう扱ったらよいのか。

Q8 大学が現状抱えている問題点を改善するうえで、どのような改革が望ましいと思いますか。(自由回答)
・この問いじたいがナンセンス。Q7への「その他」の項目で書いたように、組合が「」も付けないで、「どのような改革が望ましいと思いますか」などと問うべきではない。このかんの問題の所在は、はっきりしているだろう。現大学執行部が存続していることが、最大の「大学が現状抱えている問題点」であろう。とすれば、「改善するうえで、どのような改革が望ましいと思いますか」といえば、現行の大学執行部の即刻退陣だろう。あまりにもひどすぎる。昨今では、学長のみならず、副学長ふたりとも、がである。おふざけで言っているのではない。 「大学が現状抱えている問題点」などというものは、何もない。大学という組織の個々の部分が、それぞれ自前で振り返り、自前で工夫をこらし、取り組むべきことがあるだけだろう。大学全体などというものを想定することが、おそらくは、「学長」なる張子の虎にすぎない存在の、たまたま手にしたナイフを、使い方を知らないままにぶん回し、周りをただただ傷つけるために使わしめてしまうのだろう。大学全体なるものはない。物象化的錯認! 大学全体をまとめたり、リードしたりするかのような存在とみなされている「学長」なるものは、そうした錯認の三千条のうえに重ねられた「空中の楼閣」(だけれども、どういうわけか、「権限」なるものが付与されている、かのように錯認されてもいる)。あるのは、日々の学生と教員とのやりとりと、それを支える日々の事務の仕事だけだ。教職員どうしの連絡関係は、いまもって、この大学でもできているわけでもない。ときおり、問題を限定して、協力して事態に対処することがたまたまできてきたにすぎない。
・たとえば大学院生を増やしたいというのならば、大学生の院への進学をはばんでいる就活圧力を減らすような教育に力を入れた上で、無理に就職するよりは大学院で勉強する選択肢が魅力的であることを積極的にアピールするやり方もあるのではないか。じっさい私の個人的な経験からいっても、就活で自由時間をとられてしまい、もっと勉強したかったという学生の声は切実であるし、また就活を蹴って大学院まで自由に勉強したいという欲求をもつ学生も思った以上に多い。  じっさいに労働市場が「売り手市場」なのにもかかわらず、おそらくは就活産業で儲ける企業が学生を恐怖で脅すことで就活早期化に拍車をかけており、そのせいで必要以上に就活に労力を割いている学生は多いはずである。そのような就活圧力に対抗して、教養ある人物を養成するうえでも、学生の自由時間拡大とリベラルアーツ教育に重きを置いた大学院重点化という方針は、学生の実態調査を踏まえねばならないが、独自性ある改革方針にはなるのではあるまいか。少なくとも学力と見識を備えた学生は集まるのではないか。
・学部定数削減、大学院定数増加に向けた改革は進めざるを得ないと思います。しかし「5年一貫」をあまり強調するのは得策ではないように思います。進学の負担感を減らして学生を呼び込む策としては、検定料や入学料の免除などもありうるのではないでしょうか。 様々な例外的コースも想定するにせよ、学部では卒論、修士課程では修論を完成させるという教育方法が基本であるべきですし、一定以上の水準の修論を完成させるには卒論提出後2年程度の時間が必要です(就職活動も考慮すればなおさら)。むしろ、意欲的な学生が卒論を3年生のうちに提出したり、修士課程進学後1年間は留学に行ったりと、学部~修士の6年間(人によっては5年)を柔軟に使って2本の論文(またはプロジェクト)を仕上げることができるようなカリキュラム改革(特に学部・大学院のカリキュラム上の接続性の向上)に注力してはいかがでしょうか。
・本学のブランド価値と実態の乖離を解消するため、以下の3点を経営リスクとして解決すべきです。ただし、これらを実行するにあたって「現場の負担増」を看過することは、さらなる組織崩壊を招く二次的な経営リスクであると断言します。 ○入試改革: 地域研究における「地理」の導入や、AI人材育成のための理数科目(数学A、物理等)の必須化。 ○大学院改革: 修士課程における英語論文執筆の標準化。 これらの改革は、現在の教職員の業務密度では実行不可能です。入試科目の再編に伴う事務プロセスの簡略化、英語指導を補完する専門スタッフの配置、さらには既存の付随業務の思い切った削減など、「現場負担の軽減化」をセットにしない改革案は、絵に描いた餅に過ぎません。 経営層には、理念の実現と現場の持続可能性を同時に担保する、責任ある制度設計を求めます。
・短期的な対応:大学院の定員充足については、中高年層を第二のターゲットにする。中年についてはリスキリング、シニアについては認知症を防止し、豊かな老後の人生を送るための社会貢献を打ち出す。国際社会コースについては、現役時代としての経験を事例研究として博論にするなど。これはこれで指導が大変だが、院生の修了後の心配をせずに済むのは助かる。本気でプロの研究者として育てる従来型の院生とは別に、キャリアアップ目的の中年院生、人生の楽しみとしての学問を追求するシニア院生を受け入れる。コースを分けても良いが、共通して受けられる授業は必要。なお、このような年代の異なる院生が入り混じる場合、ハラスメント対策の強化は必須。
・改革そのものに入る前に、(先般の認証評価のための学年暦の変更など)改革をしなければ「本学の存続が危ぶまれる」ような問題点がどれほどあるのかを列挙する必要があると思います。挙げられた問題点に優先順位をつけ、どこから手をつけられるのかを見定めるべきでしょう。この数ヶ月の間でも語学教育、大学院、学部改革について次々に案が提示されていて、現場の教員はほとんどついていけていないのが現状です。それからどうしても気になってしまうのは、大学執行部の提案が十分に考えられていないまま出されているように見えることです。異論を取り入れ、練り上げていく作業が行われているのでしょうか。
・①大学院と学部を含め、現体制に編成される際に意図したことが何であったかを再確認する。 ②意図したものがこれまでどれだけ実現できたかを確認する。 ③①と②以外の観点からも、本学の教育の現状や問題点を把握し、できていること、できていないこと、それぞの要因を分析する。 ④①、②、③に基づいて改革を考える。今の改革案は、表面的な問題点の指摘から理由づけがされているが、現状の把握も問題の分析も全く不十分である。文部科学省の政策に沿った改革を進めるために、都合の良い理由をつぎはぎしているだけのようにも思える。
・改革の中身というよりもそのプロセスに関する話になりますが、大学執行部のリーダーシップだけでなく、構成員からのボトムアップの意見の収集と共有が現在以上に必要だと思います。また、以前に本学で学部・修士5年間の一貫教育を行う特化コースが導入されたものの、必ずしもうまく機能せずに廃止になった経験など、本学や他大学の過去の事例からも学ぶ必要があるように思われます。
・対話の機会が圧倒的に足りておらず、タテ・ヨコのつながりもすくない脆弱な組織になってしまっている。構成員が大学運営により民主的に参加できるような体制で、ステークホルダーとなる教職員や学生の意欲が湧くような改革にもっていくのが望ましい。
・まず、大学がさらされている状況に関して十分な情報共有をしていただきたいと思います。その上で現場の教員と何が望ましく何が不可能なのかを話し合う体制をつくってほしいです。
・学生定員削減による学力水準の維持。 組織簡素化による業務量の削減。留学生学費大幅値上げによる、学生負担の適正化。学生に提供する授業数削減による、研究重視の明確化。
・拙速な改革を行うよりも、学生や教職員がどんな懸念を持っているか、そもそも大学の現状に不満があるかを、大学執行部側が虚心坦懐に聞くべきだと思う。
・内部からの問題点の洗い出しが必要と思う。どのような一流を持っているのか、それを伸ばすにはどうしたらよいのか、という議論がないように見える。
・当事者(教職員・学生)から広く意見を収集した上で、根拠に基づく改革が必要である。現状では、改革ありきでその根拠がないか曖昧である。
・会議の縮少=教授会前の諸会議で路線確定をやめて、すべて教授会に投げ込んで大いに議論。さすれば自動的に民主主義的各全員討議ができる
・一般入試において数学の比重を増やしたことで受験者数が減少した経緯から、数学の比重をかつてのように戻す方向を探れないだろうか?
・教員全体に開かれた十分な議論の上での改革を望む(今は情報共有さえ十分でないと感じる)
・学長及び大学執行部による一方的な意志決定のプロセス見直し
・理論研究の推進、研究の意義を発信、語学授業の充実
・開かれた討議 実務家志向の停止

Q9 本学が目指すべき教育に関して意見があればお願いします。(自由回答)
・外大の強みは地域言語と地域研究に根ざした学際的研究・教育にあると考える。経済産業界と連携する実務教育(ビジネス・スクール)なら、同じ国立大学ではすでに一橋大学があり、外大が後追いする意味はない。また、「英語で教える」というだけでは、すでに数十年前から存在する他大学(ICU、秋田教養大学)の後追いである上に、他大学に専門学部(法学部、経済学部、社会学部など)を備えた大学があるので(それらの大学も既に英語化しつつある)、たいした強みにはならない。すなわち、改革をするのであれば、日本で唯一外大だけで学べる言語を多数抱えているという強みを活かす改革でなければ意味がなく、逆効果であろう(私自身は、大規模語科に所属するが、だからこそこのように考える。大規模語科の地域の専門家は日本国内にもそれなりにいるため、外大で学ばなければならない必要性はそこまで高くない。英語と同じである)。そして、これだけ多くの地域や言語の専門教育を行なっている土台があるからこそ、現代社会(国際社会と日本国内の社会)における多文化社会の分断や格差に立ち向かうための知的対話の場としての役割を担えるのではないか。むしろ、そちらに力を入れる方が意味のある改革につながるのではないか。社会連携を強める(実務家教員を雇う)というのなら、「多文化共生」や「国際平和」のために「外国人」「移民」「難民」を支援する行政書士や弁護士、ないし国際機関職員・NGO職員等を招く方が、よほど外大としての強みを強化できる方向性ではないか。また、留学生だけでなく、日本で生まれ育った世界の様々な地域の継承語を持つ(「外国人」の親を持つ)子どもたちの集まる場として、そうした子どもたちが、日本語と同時に自らの継承語を専門的に学び、他の教員・学生と知的創造を繰り広げる場、さらにそれを社会に発信し対話を促す場として、重要な役割を担うことができると思う。
・本学の強みは、語学教育に留まらず、特定の地域を多角的な視点から分析する地域研究の手法を確立している点にあると考えます。地域研究で培われる現地の文脈を深く理解し、複眼的に事象を捉える手法は、卒業後にどのような職種に就いたとしても、異文化理解や多角的な問題解決に応用できるものです。また、3年次以降に学問分野を深める際、特定の地域に関する深い知見を有していることは、抽象的な理論を具体的に検証するための強みとなります。また、他大学では決して学ぶことのできない専攻言語は、本学の強みであり、今後も堅持すべきだと思います。
・何を目指すにしても、長い歴史を持った本学がこれまでにしてきたことの延長線上に位置付けていく必要があります。外国語学部時代が終わった後の現在の3学部体制がようやく整った段階で再び改編するとなると、この期間に卒業していった学生たちに対して非常に申し訳ない気持ちになります。ようやく言語文化、国際社会、国際日本という学部名が馴染んできて、入ってくる学生にも学部ごとの個性が備わってきているように感じています。現在の体制をうまく利用しながら、必要であればマイナーチェンジで時代に対応していくようにするべきと考えます。
・語学教育はやはり外大の特色であり、一二年生時にそれの時間数が多いことも外大独自の特色で維持すべき。ただし、その語学教育に資する・を応援する文化・文化・社会型授業(ゼミ的な)を、一二年生時から開始し、より語学授業が面白くなるような態勢が、入学時の早くからできないものか。その代わりに、教員の授業負担は学生三、四年時にはゼミ2コマのみ(講義兼解読ゼミと卒論ゼミ)、とするなど軽減させる。大学院も修士課程と博士課程の授業は合体させて1コマのみ、これに修士論文指導ゼミ1コマ、とするなど。
・本学が目指すべきは、高度な地域研究(言語・歴史・地理)の素養と、現代の必須言語である「データ・AIリテラシー」を兼ね備えたハイブリッドな人材の育成です。 単にAIを「使う」だけでなく、現地の文化や文脈を深く理解した上でテクノロジーを適用できる人材こそが、多文化共生社会のリーダーとなり得ます。この実現には、入試段階での理数・地理教育の担保と、学部・大学院を通じた一貫したデータサイエンス教育の体系化が不可欠です。
・教育にかんして、何かを目指そうとすることじたいが、はなはだ問題的かもしれない。コスパやタイパと「真逆」なことをどれほどできるかが重要。学生たちは、学ぶ力をそなえている。わたしじしんのプラクティスを振り返ってかんがえてみるなら、どのようにして、マル・トリートメントを減らしてゆくか、それが、自由で闊達な、学生たちの学びを活性化する、と考えたほうが良いのではないか。
・日本を含む世界各地域の現場から地に足の着いた視点で世の中の課題を発見し、解決の道筋を探ることができ、逆に、世界的な広い視野からローカルな現場の課題を見出し、解決の可能性を探求できるような人材の育成が、本学の目指すべき教育ではないかと思います。
・本学が従来から培ってきた強みを最大限生かすべきだと思う。  この一年間に新学長体制で行われた改革の数々は、残念ながら本学の強みを全くといってよいほど省みず、むしろそれらを破壊する方向であったと言わざるを得ない。
・それを述べるには、回答者も準備不足である。Q8で答えたように、本学の教育の現状や問題点を把握し、できていること、できていないこと、それぞれの要因を深く分析することから始めなければならないと考えている。
・語学授業の拡充が必要(外語大の売りである専攻語学授業のコマ数が少ない)、言語学教員を補充し語学授業の理論的充実を図る。
・大学が学問の真理と倫理を追求する場であるという理念にもとづく教育研究構想の再確認
・留学生を含む、多様性を活かした言語・地域についての学び合いの場。
・人権や共生など普遍的な価値の実現に寄与する教育が望ましい。
・リベラルで外に開かれた校風は守ってほしいと思います。
・多様な言語・地域を柱にすることを再確認すべきと思う。
・小さな良い大学。

Q10 その他ご意見あれば聞かせてください。(自由回答)
・1.  もしも望ましい改革について議論するのであれば、ボトムアップで本学の学生、職員、教員がどのような問題に直面しているのかを調査しそれを分析してから改革案を出さねばならないだろう。実態調査なくして、改革案なし、と言いたい。 2.  Q8のいう「大学が現状抱えている問題点」のかなり大きな部分は、じつは新学長体制のこの1年間で矢継ぎ早に、強行された改革が引き起こした害悪なのではあるまいか。新学長体制でおこなわれた改革がどのような効果をもたらしたのかについての正確な検証なしに、改革に着手することは正当なことだとは到底思えない。  この一年間に行われたことを思い出せるだけ列記してみる。 ・15週授業への時間割変更を翌年度から強行(学位授与機構の側から、翌年度から開始することで非常勤講師などに不利益変更がないかと指摘された) ・大学院改組の開始(WGが発足するも、改組の方向性が決まらないうちに、すでに人事が先に立てられ、教授会をとおさずに改革のための教員が雇われた。) ・4大学協定を5大学協定に変更 ・言語教育のあり方をめぐる懇談会で「小語科」を一人で運営可能な体制にする考えが提示(AIを利用するという案もあり、すでにポルトガル語科で試験的にAIによる教育ツールが開発され、それがうまくいったら他に応用するのだという考えが示された) ・大学院改組案を文部科学省に提示する直前というタイミングで、その案が教授会で提示されたが、そこでは学部の改組案に着手する案が示されていた(学部長にさえこの件は直前まで知らされていなかったとのこと) ・印刷室営業の縮小(教育AOでの決定が教授会で3月に報告。生協との契約変更とのことだが、実質職員削減ではないか。翌月からいきなり縮小というやり方は酷い) ・たふさぽの閉鎖(これはまだ側聞しているだけであり、教授会での報告さえないままだ)  覚えているだけでこれだけのことが起きている。ほかにももっとあるに違いない。  さて、もし可能なら、組合で、この一年間で新学長体制下でおこった改革を一覧にして、どんな問題があったのかを、ごく簡単でよいので、書いて公開してみてはどうだろうか。おそらく研究者は凝り性なので、大量かつ緻密に書こうとして、すばやく簡素にブログ記事を書くには不慣れかもしれないのだが、いま必要なのは質というよりは、スピードとフットワークの軽い連続的な短評のようなものだと思われる。  私見では、本学では改革を推進する側は「絵」をもっているが、それにたいして個々の教員は(職員も学生も)個人的に反対していても、全体像をつかめずにいるように思われる。  おそらく組合が唯一、強行される改革に対して、ある一貫した観点で批評することのできる(その意志と能力を有する)アクターになっている。これはいまの本学にとっては非常に有益であり、組合活動の必要性や社会的重要性を高めるよい機会になると思われる。
・今年度が始まって以降、大学執行部と個々の教員の間で信頼関係が構築されていないように感じられます。このまま改革案が進められてしまうと、教員の士気は低下し、それは教育や研究に影響を及ぼし、当然学生たちにとっても悪影響で、その先には大学イメージの悪化が考えられます。どうにかして執行部と教員たちの間で最低限の信頼関係が結ばれるような状況が作られるべきですが、現状その展望が開けない、あるいは今後はもっとこの状況が悪化するようにも感じていて、悲観的にならざるを得ません。近年、組織マネージメントにおいては、構成員の心理的安全性を保証すること(発言の自由、配慮や信頼関係の構築)が重要で、そうしないとパフォーマンスが上がらないのですが、その心理的安全性を付与する側(大学執行部)は果たしてそういう努力をしているのでしょうか。なんらかの改革をするのであればなおのこと心理的安全性は重要だと思います。こう書いていると、なんだか危険な域に入っている気がしてきました。誇張ではなく恐怖を感じる瞬間もなくはありません。これは私一人に限ったことではないと思います。 ・組織の改編に伴う事務作業は膨大で、労働環境は確実に悪化することになります。過重労働などはあってはならないと考えます。すでに多くの教職員が身を捧げて本学のために働いていることを考えれば、これ以上の仕事をこなすことは難しいのではないでしょうか。 ・それから組合への意見ということではないのですが、この改革案が進められると2030年入学から新学部生となります。この4月(2026年度)に入学し、5年で卒業する学生たちは、新しい学部の入学生を見ることになり、在学中のどこかの段階で自分のいる学部がなくなることを知らされます。 ・つまり非常に差し迫った問題であり、そのための話し合いの場が持たれるのかどうかもわからない状態では、話し合いの機運が高まるどころか、先ほど述べたように士気の低下が懸念されます。多くの教員が多くの委員会委員を兼ねている現状では、現在の時間を超えて会議をこなせる教員は数少ないのではないでしょうか。 ・今後組合の果たす役割は大きくなると思います。どうか多くの構成員の意見を集め、それを執行部に届けたり、適切な話し合いの場を作るようにして欲しいと願うばかりです。どうぞよろしくお願いします。
・どのようにしたら反撃できるのか。一日三秒くらいそのことばかり考えているけれども、あまりいい知恵が浮かばない。来週は、どんな攻撃がでてくるのか、そんなことをかんがえる職場ではたらくのは、ほんとうに嫌気がさす。胸くそ悪い。こんな日々をすごすのは、長年、外大にぶらさがっていて、はじめての経験、かもしれない。来週には、来月には、三か月後には、……どうなっているのか、とおもうと、動悸が押し寄せてくる。冗談を言っているのではない。堕ちて、堕ちて、堕ちて、……徹底的に堕ちていって、収集がつかなくなって、とんてもないことが起きて、ようやく反省する、のだろうか。そのさなかで、こわれてゆく、こさわれてゆくひとたちがワンサカ出ることだろう。ーー大学という場であれば、かならずや、しわ寄せは学生、もしくは(立場の弱い位置におかされてしまう)事務のかたがた、だろう。 ともかくも、問題のたてかたじたいを根本から変えてしまうような、ゴール前のロングパスが必要だと思う。おかしなことが起きていてもおかしいと感じられなくなっていることじたいがとてもおかしい。悲しすぎて涙もでない。多くの人が「解離」してしまっているのではないか。ーー対面の教授会であれば、怒号が飛び交うような事態なんではないのか。しかし、怒りを向けるべき相手が目の前にいない場面で怒ってもむなしいだけだ。 このこととは、別だがーーとはいえ、冒頭の段落に記したことと関連するがーー、若い事務のかたがたで定年などよりもはるかに手前で退職されるかたが出てきている。そこまで事態は深刻なのだ、ととらえるべきだろう。具体的なお名前はここには記さないけれども、心身を消耗させるロウドウを強いられている事務職員が少なくないのではないか。優秀なひとであればあるだけ、そのように、「どうして、こんなことをしなくてはならないのか。理由がまったくもってわからない」仕事を「業務」として命じられる。そんな表になっていない「声」を拾いあげる必要もあるように思う(けれども、手立てが思いつかない)。「一身上の都合」とかで片づく問題ではない。「一身上の都合」=「パーソナル」is「ポリチカル」。
・「小語科」における専任一人体制の構築について 専攻学生数が少ない言語であっても、その地域に精通した人材を毎年一定数輩出し続けることは、日本の外交、国際協力、学術研究、ビジネスにおける知的基盤を維持することに繋がります。卒業生が外交官や国際機関、民間企業等で活躍する背景には、本学で学んだ地域理解があると考えます。たとえ卒業後に直接その言語を用いない職域に進んだとしても、その地域の理解者を国内に育てることは、中長期的な国益にも直結すると考えます。 また、専任教員は、授業のみならず、各国の協定校や大使館との連絡調整、学生の留学支援など、多大な業務を担っています。これらを1名体制にすることは、教育・研究時間の著しい削減を招くだけでなく、不測の事態の際にその言語圏とのパイプが完全に途絶えるリスクもあると考えます。
・2月12日の教授会で学長私案として提示された案の中には、現在の3学部を1学部にまとめる(大学院では職業人養成コースとして性格付けできる部分を独立させる)方向の改革案が含まれていました。あまりにも小規模な国際日本学部があまりにも多くの任務を負い、かつ学生の履修上の選択肢が限られてしまっている現状に違和感を持ってきた者としては、学部をまとめるという改革の方向性を好意的に受け止めています。ただしこれは、過去の改革の中で積み重ねられてきた議論を踏まえ、今後数年単位の時間をかけて構成員全体で検討すべき問題だと思います。
・少子化というマクロな要因に加えて、本学の学部や大学院の志願者が持続的に減少する傾向にある個別の要因も考えますと、本学が今後も社会に貢献できる研究教育機関として生き残るためには、何らかの変革を求められていることは間違いないと思います。しかし、その改革が本学が本来持っている強みを生かすものとなるためには、構成員の意見を十分に反映した改革である必要があるとも思います。執行部と構成員との間での情報や認識の共有をより密にしていくことが重要ではないでしょうか。
・残念ながら、現在の大学の執行部の考えや動きに対しては、教員として常に緊張感を持っていなければならない。それが、ただでさえ大変な業務に追われている教職員をさらなるストレスに晒していることを執行部にはよく自覚してもらいたい。組合にも負担をかけることであるが、適宜、こうしたアンケートを行なってもらい、大学の行く末がよからぬ方に向かわぬよう、執行部を牽制する役割を期待している。
・大学・院改革の背景には、少子化社会において留学生で穴埋めするために学部教育を英語化するという論理があるように見えるが、仮にこれが政府や文科省の目指すところであるならば、まずは率先して排外主義的な政策や政治家の発言を禁止し、外国人学生が生活・勉強するに値する反差別・人権重視の社会環境を整えるべきではないか。
・新しい教育体制の略称として「GID」が用いられていますが、これは一般的に「性同一性障害(Gender Identity Disorder)」の略称として広く認知されています。多文化共生を掲げる本学において、この用語を多用することは、社会的・経営的なリスクを招く懸念があると考えます。
・大学改革が労働者(特に不安定な非正規労働者)を切り捨て、学生にも不利益を与えるような展開を想定して、その際団結して十分に対抗し、学外の世論も喚起できるように、教職員組合と学生の連携を強化すべき。必要であれば、大学院生を中心とした学生の組織化も検討すべき。
・大学の将来に関するあらゆる事案において、情報があまり共有されないまま、ある決定しないといけない状況が続いていると思います。不安と閉塞感を覚えています。十分な議論と情報共有の時間と議論の場を設けることを望みます。
・金は必要だが、儲け主義に走ると企業管理下の下請けになり下がり、企業が儲かる研究しかしなくなる。「文化的、知的発展」がなくなる。結局、理系研究のみが推進され、“文系” の外語大は廃校にされるだろう。
・春名学長の体制になってから、大学運営の独裁的な傾向が強まった。拙速かつ十分な議論の時間をわざと取れないようなやり方で物事を強引に進めるのは良くない。
・危機感を煽って一定の方向に持って行こうとする進め方は慎むべき。何が問題なのかの客観的な分析と共有が先行すべき。
・締切を過ぎてこのアンケートのことを思い出しました。タイミングを逸しましたが、記入できたのでお送りします。
・現場の教育活動を無視して一方的に決定された印刷センター体制変更案の撤回を求めます。
・大きな改革は組織また構成員に大きな負担となりかねないため心配している。
・大学院を拡充するなら、今の図書館の予算では心許ないように思います。
・大学院学生定員の大幅な削減。

2026/04/08

組合ニュース-2026.4.8刊(2025年度第4号)

新年度のご挨拶 東京外国語大学の新任教職員の皆さまへ
 2023年度より教職員組合委員長を務めております古川高子です。2026年度の新学期を迎えるにあたり、本学の組合がどのような場所であるか、私の専門であるオーストリア社会民主党の歴史と私自身の体験を交えてお話ししたいと思います。
 私が本学ドイツ語科に入学したのは1990年のことでした。当時の恩師たちはハプスブルク・オーストリア史の研究者であり、同時に社会民主主義の知恵を日々の振る舞いの中に宿した人々でもありました。彼らの姿から学んだのは、社会民主党が長い歴史の中で培ってきたある種の「作法」です。それは、「何か問題にぶつかった時はまず自分の頭で対処法を考え、自ら実践する。解決できない時に初めて身近な仲間に相談し、それでも難しい場合に初めて組合などの組織を頼る」という、自立を大切にする連帯の形です。
 19世紀末のウィーンでは、自由主義が生んだ格差が広がり、最底辺の労働者が下水道の通る穴蔵で生活するような悲惨な状況にありました。これに手を差し伸べた社会民主党員たちは、自らも労働者の格好をして現場に潜り込み、困窮者の声を聞き歩きました。しかし、彼らが行ったのは単なる救済ではありませんでした。まずは当事者が自ら工場長や上司と掛け合い、それでも壁に突き当たった時に初めて組織のネットワークを動かしていく。そんな「草の根」の歩みを支える活動です。
 現代の新自由主義の流れの中では、現場の人間性が数字として処理され、置き去りにされてしまうことが少なくありません。しかし、ウィーンにおいて今なお社会民主党が強いネットワークを維持できているのは、世紀転換期から続くこうした小さな相談組織が実務レベルで人びとの生活に寄り添い、党トップの独善的な統治を押しとどめてきたからです。政治や経営の要諦は、そこに暮らし、働く人々の協力と納得を引き出すことにあります。その意欲を損なえば、いかに立派な計画を立てても、組織は決して上手く機能しない。彼らはそのことを、歴史の教訓として知っているのです。
 私自身がかつて困難に直面した時、周りの組合員だった教員たちは、最初は静かに見守り、私が自ら対処するのを待ってくれました。そして、いざ解決できないとなった時には、本気で親身になって力を貸してくれたものです。この「見守り」と「本気の支援」こそが、人を真に成長させる「連帯」だと私は身をもって知りました。
 組合とは、単なる不満の捌け口でもなく、理想だけを語る場所でもありません。現場に根ざして、皆さんが抱える不安や問題を一つずつ具体的に解きほぐし、実りある解決を目指す場所です。一人で抱え込まず、しかし自らの足で立つ矜持を忘れずに。私たちは、現場で働く皆さんの「生の声」を大学当局に届け、共により良い職場環境を築いていく実務的なパートナーでありたいと考えています。


・・・・・━━━━━━━━━・・・・・━━━━━━━━━━━・・・・・━━━━━━━━━・・・・・(特別寄稿)組合員として過ごした36年
中川裕

 2026年3月をもって東京外国語大学を定年退職しました。1990年4月の着任以来36年間、東京外国語大学教職員組合の一員として教員生活を送ってきました。
 当時は、「就職したら組合に入るのは当たり前」という考え方が一般的でした。同じ年に就職した岩崎稔さんと一緒に組合に入ることにしたのですが、彼は「本来は組合の側から勧誘に来るべきなのに来ない。こちらから出向くのはしゃくだ」と冗談めかして言っていました。とはいえ、そのまま私と一緒に加入しました。その岩崎さんは、やがて組合委員長となったのですが、後に学内の役職を歴任して理事・副学長に就かれ、組合を離れることになります。同じように役職に就いたことを機に組合を離れた方は他にもいらっしゃいました。私は幸い何にも選ばれることなく、36年間ずっと組合員でいることができました。特に組合のために何かをしたわけでもなく、組合に解決してもらうような問題もありませんでしたが、この組合には愛着を感じています。
 就職当時の私の職位は、任期のない助手(テニュア)で、授業負担は軽く、大学組織のための業務も無く、海外出張のための調整も容易いものでした。後にライフワークとなるカラハリ狩猟採集民の調査を始めた最初の4年間(1992–1995)には、通算17か月のフィールド滞在を行っています。その間も給与は支給され続け、特に咎められることもありませんでした。調査研究のためには大概のことを大目に見るという、大学らしい慣習があったのだと思います。
 今あらためて考えると、この経験は、その後の私の仕事のしかたに大きく影響しています。当時の東京外国語大学が持っていた研究に対して寛容で自由度の高い文化が、自分の行動の前提になったのだと思います。定年までの30余年にわたって、自覚的であったかどうかはともかく、結果として着任当初に触れた大学のそうした慣習を大切にするかたちで仕事をしてきました。そのため、大学組織や周囲から見れば、私は時として厄介な教員であり、身勝手な同僚でもあったかもしれません。国立大学法人化以降は、とくに被雇用者として危なっかしい振る舞いもあったはずです。それでも厳しい注意を受けることなく、定年を迎えることができました。
 大学執行部の寛容さや同僚の親切さに負うところが大きいのはもちろんですが、私にとっては、組合員であり続けたことも大きな安心につながっていました。この大学に組合がなければ、同じようには出来なかっただろうと思います。
 こうした経緯の中で、私にとって組合は、36年間、背後で見守ってくれる存在だったと言えます。大学に雇用される一労働者として、自分がどんな職場で働いているのかを理解するうえで、他では得にくい情報に触れる機会を与えてくれ、私は情報の偏りからずいぶん逃れることができました。また、不利益が生じた場合に最初に相談できる相手でもありました。実際に相談を要する事態に直面することはなく、無事に定年退職を迎えましたが、「いざというときに頼れる場所がある」という感覚が、危なっかしい私の日々の仕事を支えてくれました。
 在職中の36年間、大学という組織は絶えず変化していました。専攻語が増え、学部が増え、大学院が重点化され、組織のかたちは繰り返し作り替えられてきました。とりわけ国立大学法人化以降は、制度や運営の変化に伴い、被雇用者が直面する問題もその都度かたちを変えて現れるようになりました。そうした変化の中で、組合が個々の教職員の抱える問題に関わり、解決を支えてきた姿を、私は見てきました。私自身はその当事者になることはありませんでしたが、その働きを身近に知ってきたことが、組合への信頼につながっています。
 その一方で、組合のこうした実際の活動の性格、親しみやすく、人の話をよく聞き、実務的にも確かな側面が、非組合員には十分に伝わっていないのではないかと感じることがあります。組合は特別な場というよりも、日常の中で機能している支えの一つであり、それがもう少し自然に共有されてもよいのではないかと思います。
 特別に何かをしたわけではない一組合員としての実感ですが、組合員であり続けたことは、私にとって確かな支えでした。そのことに、率直に感謝しています。


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外つ国物語(1) 作:菊池直子
2046年 外語大、DXのみに邁進した場合

「本年も定員割れが起きれば、本学の存続も危うくなる。なぜ、こうなったんだ?」
 時の学長Xが、経営理事たちを前にして、ため息をついてそう言った。
 かつては、外国語とその文学や地域文化を日本語で学べるという理由で競争率の高かった本学だが、それももはや今は昔。三学部を二つのカタカナ名称の学部に統廃合し、「実務家コース」や「英語特化コース」を創設し、広範囲での志願者を拾おうとした結果、首都圏の他大学に埋没してしまった。かつて28言語が学べたという名残は図書館くらいにしかない。
 DXや職業訓練校化は確かに国からの予算がつく道であった。小規模校の本学がそれを選び、既存の教育方法を縮小し、国の方針への適応を選んだことは苦渋の選択だったのだろう。予算の獲得や国の基準を守るのは、かくも厳しい。しかし、DXはインフラに過ぎず、競争条件ではあったが、競争優位を作り出すものではなかった。DX機能の代替と増幅を区別し、非DX領域をいかに設計するかが問われる局面だったのだ。
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 時は2025~28年、国に先駆けて、本学は動いた。アナログ教科書の実質的な廃止(印刷センターの予算を数百万円→半減)、小語科のワンオペ化、学生相談窓口の一本化、図書館や他の部署における大学院生支援雇用の雇い止め(年間数十万円)——こうした変化を挟み、再建不能な能力が静かに消えていった。それは、人材・教材・教育ノウハウの蓄積が断絶し、同じ水準の教育を再構築できなくなることを意味していた。
 つまり、本学が特徴としていた教育内容「一から始める外国語習得」(ゼロから高度読解に至る到達率)、「現地教科書で学ぶ共時性」(言語間転移能力・メタ言語意識)、「一文に込められた意味を読み解く粘り強さ」(曖昧性処理能力・論理構造把握能力)——これらは、異なる体系を持つ言語や文化を前提に、意味を構造として把握する能力を養う教育であった。「語科やサークルなどで培われていた緩い縦の互助関係」「教員、職員、学生に通底していた外語愛」といったものは、学生の初期段階の離脱を防ぎ、学習継続を支える非公式インフラとして機能していた。しかし、それらが次第に見えなくなっていった。
━・・━・・━・・ ━・・━・・━・・ ━・・━・・━・・
「なぜ本学は、英語のみで授業を行うなどという、当時ですら時流から外れた選択をしたのだろうか?」
——それは、当時、国の方針で教授会の決定権が失われ、学長のトップダウンが許されたからです。
「授業時間問題ということもあったようだが、学内に諮った記録はないのか?」
——残念ながら、教授会には事後報告だったようです。
「もしも、あのとき、印刷センターを存続させ、図書館での雇い止めをせず、学生相談の窓口を複数残し、教員の研究時間を確保し、小語科に人員補充をし、実務家教員主導カリキュラムについて学内に議論を呼びかけていたとしたら、どうなっていただろうか?」
——2046年現在において、それは、AI時代における言語教育モデルとして高い評価を得ていたでしょう。AIが広く用いられる状況では、人間による思考や、メタ言語意識・言語運用の独自性といったものが評価対象となる傾向が見られます。この視点は当時では人間の間ではあまり重要視されませんでした。
多くのAIは言語を基盤とした処理を中核としており、言語研究があってこその装置ですから、当時の状況にもかかわらず、外語大がアナログ的教育領域を残し、人文知に目配りをしていたという事実があれば、その条件は満たされたことでしょう。

そう広汎AIは答えた。


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組合ランチ拡大版「野外でランチ会」のお知らせ
4月22日(水) 11:45~13:00 @図書館前の桜の木の下
(雨天時:海外事情研究所@講義棟427)
 
外語大へ新たに赴任された教職員の皆さん、ようこそ! 外語大には教職員組合があります。組合費は月千円、組合費を原資にし、年に数回、懇親会を行っています。また、同じく組合費を原資にし、2024年度からこくみん共済(全労災)に加入。少額ですが入院補償と死亡保険を受け取れるようにしました。特に病歴などで保険加入できない方には朗報だと思います。非常勤職員の方も組合費のみで加入できます。興味のある方はぜひランチ会にいらしてください。
組合が「サンドイッチ」を35食、用意します。ぜひお越しください!
(飲み物はご持参ください)
当日は、個々の悩み相談ももちろん受け付けます。
新年度が始まって気づいたことなどあれば、教えてください。

2026/02/25

組合ニュース-2026.2.25刊(2025年度第3号)

中川裕先生・飯塚正人先生・深沢清美さんお疲れさまの会開催!
これまでの組合への貢献、ありがとうございました。
東京外語大学教職員組合主催で、対面にて送別会を開催します。

2026年3月18日(水)18:00~20:00@留日センター1F 交流室

豪華弁当をつまんで、ゆっくり対話の送別会を開催します。
思い出話に花を味かせ、これからのことを語り合う、そんな時間を一緒に過ごしましょう。
東京外国語大学教職員組合 執行委員長 古川高子

組合員以外の方も大歓迎です!人数把握のため、申し込みをしてください。
参加者は3月9日(月)までに下記URLから回答してください。

■大学改革に関する組合アンケート実施■
 2025年10月以降、大学執行部によって、大学全体に関わる組織改革が急速なピッチで進められています。
 当初は大学院修士課程の改革ということでしたが、先日2月12日に行われた大学院総合国際学研究科教授会では、さらに学部や AA 研も含めた全体的な改革も構想されていることが、学長によって説明されました。
 また 2025年12月には、本学の言語教育のあり方をめぐる談会が行われましたが、そこでは「小語科」を一人の教員で運営できるようにする体制に移行していくことが検討されていることが、やはり学長によって示されました。
 これら一連の「改革」は相互に深く関連しており、大学構成員(教職員や学生)の生活や労働環境にも大きな影響をもたらすことが想定されますが、その内容について十分な情報共有や意見交換の機会がこれまでに設けられていません。大学構成員全体にとって重要なこの問題についてアンケートを取り、その結果を大学執行部に届けるとともに、教職員組合としても、この問題についての活動方針を定めていきたいと思います。
年度末の多忙の時期とは思いますが、ご協力の程よろしくお願いいたします(3月17日まで)。
教職員組合執行部一同

下記URLより回答ください。


―――――アンケート内容―――――
(Q1-4:共有度合い1→4)
Q1 「学部・修士5年一貫教育の制度化」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。

Q2 「学部定員数の削減・大学院定員数の増加」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。

Q3 「実務家養成専攻・コースの新設」について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。

Q4 「語学教育に携わる教員数の削減」(例:「小語科」における専任一人体制の構築)について、議論・改革の前提が十分に共有されていると思いますか。

Q5 Q4の議論・改革の前提となっている「語学教育における AI学習ツールの導入・活用」をどのように評価しますか。
1)積極的に導入・活用
2)運用について十分な議論をした上での導入・活用
3)導入・活用すべきではない
4)判断できるだけの情報を知ら(されてい)ない
5)どちらでもよい
その他意見

Q6 以上の大学改革構想に関して、待遇面・労働面での懸念事項はありますか。
1) 労働時間の増加/研究時間や自由時間の減少
2)業務負担の増加
3)業務量と給料とのギャップの放置・拡大
4)特になし
その他

Q7 大学改革構想に関して、他に懸念事項はありますか。
1)学生(特に院生)に関して十分な研究指導が行なわれなくなる
2)「実務家養成」教育の具体的な中身が不明瞭である
3)「実務家養成」教育と研究に関する教育とを同じレベルで両立できるかわからない
4) 語学教育など、「実務」に直接関係しないとみなされた教育・研究の軽視・削減が進む
5)大学運営・教育に外部企業の意向が反映されるようになる
6)研究機関としての大学の地位・意義が低下する
7) 多くの学生・院生の実際のニーズと乖離している
8) 特になし
その他

(Q8-10:自由回答)
Q8 大学が現状抱えている問題点を改善するうえで、どのような改革が望ましいと思いますか。

Q9 本学が目指すべき教育に関して意見があればお願いします。

Q10 その他ご意見あれば聞かせてください。

〆切は3/17(火)(送別会で話し合いましょう)

2025/10/27

組合ニュース-2025.10.27刊(2025年度第2号)

5年制学部&大学院新設構想―学内に開かれた議論のために
 10月8日の教授会で春名学長から「将来構想専門部会」によって検討されたという大学院改組について説明がありました。今の段階で確実に決まっていることは、「大学院博士前期課程の人員増大」と「それに伴う学部人員の削減」の二項目のようです。
 大学執行部から提示されたのは漠然とした青写真にすぎず、内容を詰めていくのは今後のWGや諸会議にかかっていくことでしょう。今回の大学院改革は、大学院だけではなく学部も含めた大学全体の形に波及する大きな案件です。これからの外語大をどのような学びや実践の場にしていくべきかについては、教職員や学生に開かれた議論が必要でしょう。教職員組合としても、意見交換の場をなるべく多く設けていきたいと考えています。
 今月29(水)は、月に一度の組合ランチの日です。ぜひ、多くの方に集まっていただき、この「大学院新設構想」についても話し合いたいと思います。それぞれの立場から外語大はどうあるべきか、どうあってほしいか、また、問題点はどこにあるのか、どう修正すべきか等、意見を出し合えれば、と思っています。一度で結論の出る話ではないので、ここでの意見交換をもとに、普段の立ち話から教授会やWGといった場に至るまで、この場で出た意見を役立ててもらえればと思います。
 また、組合としては、さらなる議論を深める役割を果たすべく、この紙面で意見や問題点を掲載していく予定です。ランチに参加できない方、組合員ではない方も、下記組合メールアドレスまで随時意見をお寄せください。 

組合メールアドレス: wu62tufs[at]gmail.com
※[at]は@に置き換えてください。

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組合ランチのお知らせ
10月29日(水) 11:45~13:00  場所:海外事情研究所@講義棟427

<9/24(水)のランチ会報告>
 9月ということもあってか、少な目の9名で行いました。
 いつものように学内の様子や業務について話をしましたが、外語大の予算についても話題になり、例えばオープンアカデミーの参加料やドラマ撮影などのロケーション代で確かに「稼げる大学」になっているはずなのに、そのお金はどこに使われているのか、よくわからない、という疑問が出ました。どこまで調べることができるかは不明ですが、公表されている財務諸表などから読み解いていこう、ということになりました。興味関心のある方は是非お声がけください。
 お弁当や飲み物は各自でご用意ください。

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非常勤講師控室:お茶どころかお湯も出ない現状
 2020年のCOVID19の猛威は、人間にその在り方を文字通り根本から問い直したといっても過言ではない状況をもたらし、外語大においてもあらゆる場で一度活動を休止せざるを得ず、極力対面を避けるという前提でシステムの見直しがされました。結果、対面授業の休止、学生ロッカーの撤去とTUFSボックス(個室オフィス)の設置、学内各階にあった冷水器は手洗い場となり、また、食堂や大学生協の営業時間の短縮、学生使用施設も閉鎖または短縮されました。(かの状況下での判断に可否をつけるつもりはなく、当時は必要な措置だったということは理解しています。)
 非常勤講師控室も、2020年に室内にあったゴミ箱が撤去され、個別で学内ゴミ箱までもっていってほしい旨の貼り紙がされ、これはCOVID19とは関係ないと思われますが、給茶機からお茶が出なくなり、単なる給湯機となりました。
 それから5年後の2025年度、いまだに控室にはゴミ箱は戻らず、給湯器はあろうことか使用禁止となってしまいました。聞くところによると、予算がないとか、要望がないからあとまわしにしているとか・・・。外語大はその性格から、非常勤講師の助力なしに大学を運営するのは難しいところです。非常勤講師が気持ちよく働けるような条件整備を、組合として要求していきます。改善点や要望があれば、先述のメールアドレスまでメールをお寄せください。(菊池)

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ハラスメントに一人で悩まないで
 現在組合では、いくつかのパワーハラスメント相談を受けています。その中に、ハラスメント問題に悩んで上長に相談しても「ハラスメントがあったとは思えない」「ハラスメント相談に行けばいい」と、相談にすら乗ってもらえなかった、というケースがありました。そういう場合は一人で悩まず、組合に相談してください。

2025/09/17

組合ニュース-2025.9.17刊(2025年度第1号)

第63回 定期総会 (7月9日(水)18時~開催) 成立

2025年7月~2026年6月(2025年度) 執行委員一覧

委員長:古川高子 書記長:大石高典 副委員長:荒川慎太郎
執行委員:藤井豪(情宣文化部)、川本智史、萩原啓一、菊池直子(情宣文化部)

 立秋を過ぎ、まだまだ暑い日々が続きますが、少しばかり秋の気配も感じられるようになってきました。いかがお過ごしでしょうか。
 だいぶ経ってしまいましたが、7月9日の定期総会には大勢の組合員のみなさまにご参加頂きまして、誠にありがとうございました。
 8月末になりますか、総会で頂いたご意見やコメントを加え、議案書の文面を加筆修正し、議事録と併せてみなさまにお送りいたしました。
 総会でご教示いただいた建設的なご意見を執行委員一同の今後の活動に反映させ、役立てていきたいと考えております。ご協力頂きましたこと、重ねて御礼申し上げます。
 秋学期は引き続き、組合ランチを月に一度は設け、組合員の親睦と対話の場を確保するよう努めるとともに、『組合ニュース』を充実させ、大学という職場や実生活で役立つ情報や知識を集めてみなさまにお伝えしていきたいと考えています。
 また、もう少し季節が落ち着いた頃を見計らって、以前に行っていた映画鑑賞会なども開催したいと考えています。希望する映画などありましたら、ご一報くださいませ。
 今後とも組合へのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。 (執行委員長 古川高子)


月実施 非常勤職員向け「更新時の実態調査」アンケート報告

◆時給は上がれど、年収は上がらず
 今回調査するきっかけとなったのは、職場によっては、契約更新の際「強制的な無給休日取得」への合意を聞かれていることが明らかになったからである。(例:週3日(月水金)契約であるのに強制的に勤務日に該当する曜日から月に1日程度の無給休日を取らされる)なぜかといえば、「人件費は常勤非常勤問わず人事院勧告に従って上げざるを得ないが、その上昇分を少しでも圧縮したいから」だそうだ。
 非常勤職員は基本的に一年単位で契約を更新する形で雇われている。毎年2月ごろに次年度の契約についての面談があり、契約を切られたくない非常勤職員は自分に不利な条件でも諾とする場合がある。現在外語大では非常勤職員の雇用形態にも「多様化」が進んだようで、以前は雇用といえば週五や週三などの曜日固定雇用だけであったが、現在では年間日数での雇用(繁忙期には週四、閑散期には週一など)や、それとなく個人事業主としての契約を持ち掛けられることもある。今回の「無給休日」についても、非常勤職員への不利な条件変更が示された一例であろう。(契約する際の労使の平等(契約労働法)については裏面参照)

◆人件費上昇分を圧縮するため削られる非常勤職員の給料
 2年前(2023)から突然年末年始の営業縮小に伴う非常勤職員への給与(勤務日)カットが始まった。3年目となる2025年度では12/24~1/4の12日間が休みとなる。授業最終日(今年は12/23)を大学営業最終日と位置付け、事務方もその日が年内最終日となってしまった。本来、年末年始休暇は就業規則にもあるように12/29~1/3の6日間(+土日)を指し、最終授業日から12/28までと1/4から授業開始の1/6頃までには共に2、3日の業務日が設けられていた。大学側はこの年末年始休暇倍増を急いで導入したものの、「削減される5日程度の業務量/内容の精査・整理」を怠っており、事実上、事務方は同じ業務量を短縮された期間でこなすという無理を強いられている。とはいえ、月給支払いの常勤職員は給与が減るわけではないから、なかには、休暇が増えたと前向きにとらえている人もいることだろう。しかし、私たち非常勤職員にとっては、この数日間は大学側から強制的に取らされる「無給の」日々となる。自分たちの有給休暇を充てることさえ許されていないのである。このように私たちは、この4月に100円以上時給が上がったものの、年間で収入が上がらない(どころか減る場合もある)という悲しい現実を生きている。(菊池)

 以下、2月に実施した「非常勤教職員向け:更新時の実態調査」に寄せられた意見を紹介する。

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9.  労働条件や日々の仕事に関して不満・不安を感じることはありますか。
1 常にある(40%) 
2 たまにある(60%)
3 あまりない(0) 
4 まったくない(0)

9に関して、当てはまるものをチェックしてください。(回答率が高い順)
70% 賃金が低い、昇給がない
60% 常勤に比べて軽くみられている
30% 一時金がない、待遇と仕事量・仕事上の責任が釣り合っていない、職場でハラスメントや差別的言動がある、本来しなくてもよいはずの仕事をさせられる
20% 継続雇用の保障がない

10. 意見や要望
(非常勤講師)授業に必要な書籍代や資料代を1万円でもよいので支給してほしい。
(以下、非常勤職員)
・一部の教員には、事務方に仕事を依頼する(やってもらう)というよりも、やって当然、完璧にできて当然という圧力をかけてくることがある。
・他の部署が非常勤職員に対しどのような対応をしているのか知りたい。
・数年前から大学側の意向で、それまで業務委託や非常勤職員に任されていた一部の業務が学生アルバイトに移行された。学生支援の意味合いもあるものと思われるが、その結果、それまで当該業務を行っていたスタッフの解雇が発生し、それに関連して常勤職員の仕事が増える事態にもなっている。人件費削減をうたいながら常勤の残業が増えるのは本末転倒だろう。
・非常勤職員の欠員補充が1年近く行われず、該当業務を他の非常勤職員がカバーしているのはおかしい。
・(組合に対しての要望)個人の問題を解決してもらえるのはありがたいが、制度や仕組みそのものの改善を(大学当局へ)働きかけてほしい。

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組合員リレーコラム(4) 谷川みらい
「経営者視点?」
 会社員や就職活動中の学生には、「経営者視点で物事を考えよ」という要求がしばしば突きつけられる。私が学部新卒として就活をし、とあるIT企業に入社した時もそうであった。企業の業務用ソフトウェアを扱う、いわゆるBtoBの会社である。研修では、仕事とは問題解決である、顧客企業の問題を解決するためにはどうすれば良いか自分の頭で考えよ(そうすれば自ずと商品が売れる)と教えられた。今から約10年前のことだが、会社はAIを活用して業務を効率化するソフトウェアの開発に取り組んでおり、社長は「この商品が普及すれば週休3日社会の実現も夢ではない」という趣旨を従業員の集会で語った。私は、テクノロジーによる業務節減は経営者にとっては望ましいだろうが、本当に個々の従業員のゆとりある働き方につながるのだろうか、一部の従業員は解雇され、残った従業員の労働は強化されるのではないかという疑問をぼんやりと抱きながら社長の話を聞いていた。
 色々あってその後大学院で日本経済史を学ぶようになり、末端の労働者に対して経営者・管理者のような視点に立って仕事に取り組むよう求める風潮は、最近のホワイトカラー労働市場に限ったものではないことを知った。その例としてQCサークル活動が挙げられる。各職場において労働者が「自発」的に少人数のグループをつくり、品質管理(quality control)や生産工程の効率化のためにアイディアを出し合うQCサークルは、1960年代から存在し、1980年代には特に増加した。1980年前後から労使協調の潮流が支配的になり、労働組合の職場規制力は低下した。そのことが労働者の「働きがい」減退を招くことを危惧した経営側が、職場に労働者を改めて「参加」させる方策を求めていたことが、QCサークル増加の背景にあったと西成田豊氏は指摘する(「日本的労使関係の史的展開(下)」『一橋論叢』第114巻6号、1995年)。労働組合が衰退した後の隙間を埋めるように、日本の労働者に「経営者視点」が根付いていったのかもしれない。
 私は学生の頃から、「全体を調整して具体的な問題を解決するためにはどうすべきか」という構えで物事を考えるのが好きであったし、それは今も同じである。職場や社会の日々の運営に参加し、貢献しているという実感は、人生を豊かにしてくれる大切なものだし、仕事の質を高めたり効率化したりするのは多くの場合良いことだ。しかし一方で自戒を込めて思うのは、経営者や為政者の意識と一体化するあまり、「全体のために」という名目で弱者を切り捨てる側に回ってはいけないということだ。私たちは労働者、就活中の学生なら求職者であって、資本主義社会における弱者である(経営者に近い立場の人も、実態として労働者と変わらず、資本主義がもたらす社会構造に人生を翻弄されているならば、個人として連帯できるはずだ)。そして周りを見れば、自分よりもさらに弱い立場の人々がいる。あくまでも弱い立場に属する者の一員として、自分たちを抑圧する社会構造を見つめ、話し合いを通じて互いの状況を理解した上で、全員が尊厳ある人生を送るために声を挙げなければならない。労働組合とはまさにそのような場だと思う。


使用者と労働者は対等の立場(労働契約法の話)
 労働契約法によって、使用者と労働者は対等な立場であることが定められています。更新の際に不利益変更を提示され、それを承諾しないからといって、解雇にはつながりません。困ったことがあれば組合に相談してください。条文は以下の通りです(太字は引用者)。

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第一条(目的) この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。

第三条(労働契約の原則) 
労働契約は、労働者及び使用者が
1 対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
2 就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
3 仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
労働者及び使用者は、
4 労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
5 労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

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組合ランチのお知らせ
9月24日(水) 11:45~13:00  海外事情研究所@講義棟427

 7/23(水)に行ったランチは11名ほどの参加がありました。
 春学期が終わったため、比較的のんびりとしたランチ会でした。当日、非常勤講師の新規組合員が参加して、そこから各自の自己紹介や授業の内容への質問など普段とは違う話題で楽しい時間を過ごしました。また、非常勤職員の参加もあり職場の状況などを共有しました。
 みなさんも、ぜひランチ会に話に来てください。(お弁当や飲み物は各自でご用意ください。)

2025/07/09

組合ニュース-2025.7.9刊(2024年度第13号)

7月17日(木)17:45~ @105教室
教職員と学生の対話集会
 今回の授業時間問題で明らかになったことの一つに、外語大執行部の運営管理や危機管理に対する脆弱性が挙げられるでしょう。つまり、大学の今後を決めうるであろう極めて重大な問題に対し、大多数の教職員に情報が「下りて」こず、役員においても一部のみが対応するという、権力集中ととらえれば強そうな響きがありますが、実際はこの上なく組織として貧弱であるということです。この脆弱性については組合の内外で多くの教員が疑問を呈し、組織の在り方として誠意を示すべきだと教授会などで発言があったと聞きます。
 そして、学生は端から非大学構成員とされ、意見調査さえ行われず、大学執行部はそれを正当化し、反省の色さえ見せません。今回の企画は学長を呼んで開く対話集会でしたが、「この秋に学生課を通じて対話の場を設ける予定があり、今回は参加できない」(大意)ということで、残念ながら流れてしまいました。
 組合としては夏休みになる前に、学生と教職員が今回の件に限らず大学の抱えている問題や改善要求などを話し合い共有する場を設けることにしました。
 みなさん、ふるってご参加ください。


組合ランチ 7/23(水)11:45~13:00
@海外事情研究所(講義棟427)
 6/25(水)に開催された組合ランチは、急遽拡大ランチとして学生希望者も参加できるようにしました。その結果、教職員と学生が27名集まり、今回の授業時間の問題や学生自治の話や今後大学が良くなるために何をすべきか、などを話し合いました。
 7月は23日(水)に開催します。教員には春学期も終わって学内に残る人が少ないかもしれませんが、学内にいる方はぜひともランチの時間を一緒に過ごしましょう。

2025/07/02

組合ニュース-2025.7.2刊(2024年度第12号)

東京外国語大学教職員組合 第63回 定期総会
7月9日(水)18時~ 海外事情研究所(講義棟427)
総会後、新入組合員の歓迎会として懇親会もあります。是非ご参加ください。

 東京外国語大学教職員組合員 ならびに 教職員 各位 
第63回東京外国語大学教職員組合定期総会を開催します。総会の成立には(委任状含めて)定足数を越えるご参加が必須となります。あらかじめ出欠表/委任状を、下のフォームにてご送付ください。(※議案については、後ほどメール経由で配布します。)
 コロナ禍以降に組合に加入された方と、なかなかお会いする機会がない状況が続いており、今回はそうした新組合員への歓迎の意も込めまして、部局を超えた人的交流ができればよいと願っています。ぜひご参加いただければ幸いです。
 今年はちょっと豪華なお弁当を取り寄せて、お酒(お茶)を飲みながら、懇談の場を作る予定です。つきましては、お弁当の注文個数を知りたいため、下のフォームへの回答をよろしくお願いします。

出欠/委任フォーム

懇親会
時間:(総会後)19時頃から~
場所:海外事情研究所(講義棟427)
会費:千円(新規加入者は無料)
食事内容:ちょっと贅沢なお弁当

2025/06/23

組合ニュース-2025.6.23刊(2024年度第11号)

<続・授業時間問題>今号内容
①「大学は民主主義の場ではない」発言
②「発言権や決定権は執行部にのみある」発言への疑問
③「6月〆切」は学内〆切に過ぎない:最終〆切は9月末
④ 情報開示

①「大学は民主主義の場ではない」発言
 6/17(火)プロメテウスホール、18(水)101号室で昼休みに、三学部長立ち会いのもと学長による学生説明会が行われた。両日ともに会場はほぼ満席で、10名程度の学生が質問した。ここでの発言は教授会でも共有し、審議に生かされると学長が明言していたので、学生個々人の意見はもしかすると教員各位の耳にも届いているかもしれない。(一説では「学生の意見はバラバラであった」程度の情報しか教授会では開示されていないらしいが)以下18日の様子を振り返る。
 学生が意思決定者になれない理由を「学生の在籍年数(4年)」に限定し、「教員は学生よりも長く大学に在籍し、運営していくのだから、大学執行部や常勤の教職員だけが今回の問題に対して意思決定権を持つ」と繰り返し述べていた。これに関して学生から「理事の中には4年未満の在籍者がいるので、在籍年数だけを根拠にするのは弱い。学生との話し合いの場を持つべきでは」と問われると、「在籍年数は関係ない」と前言を翻し、春名展生現学長は学生に向かって「大学が民主主義の場所だと、皆さん、本当に思っているのですか?」と投げ返した。まさに虚につかれたような瞬間である。「経験と知見のある教員が責任を負って授業内容を決め、それを学生が選ぶという関係で成り立っているのであって、完全に対等な関係ではない。」
 これを(特に初等中等段階での)教育の強制性についての発言(生徒の自主性や嗜好性だけでは教育は成り立たず、何らかの強制性は必要となる)としてとらえれば、それ自体に違和感はないが、教育の強制性と民主主義は全く違うものである。大学が民主主義の場であることは当然であり、全ての大学生は成人である。自らがおかしいと思うことに対し、発言する権利は当然発生する。
 今回学生たちは「自分たちに楽をさせろ」と要求しているわけではない(教育的強制を拒否しているわけではない)。民主主義的な応答として、教育システム的に、105分の根拠は何なのか、授業形態はどう変わるのか、その答えがないから説明してほしいと言っているに過ぎない。また、昼休みや放課後の時間変更の影響はあまりに大きく、生活時間の大幅な変更を強制されかねないという切実性から、学生の意見を聞いて制度に取り入れてほしい、と言っているのである。

② 「発言権や決定権は執行部にのみある」発言への疑問
 執行部がすべてを決めるとでも取れる発言を学生説明会で繰り返しているが、学生はおろか、教員であっても執行部にいなければ発言権や決定権がないということなのか?また、自分が学長になったのは4月からだから(この問題が表面化しなかったのは自分の責任ではない/表面化がこの時期になってしまった)、という発言があったと聞く。しかし、現学長は2023年以降副学長として執行部にいたわけで、その間この問題にノータッチだったということか?このように大きな問題が、担当外とはいえ他の副学長にも情報が入ってこない/問題が共有されていないことが事実であれば、それこそ、執行部の担当者以外に発言権決定権はないということの証左となり、大学執行部の在り方の危機的状況として受け取られることになるが、それでよいのか?

③ 「6月〆切」は学内〆切に過ぎない:最終〆切は9月末
 教員向けの説明でも、学生向けの説明でも(非常勤講師はおろか常勤である特定外国語教員にも意向調査は行われず、職員へは常勤・非常勤ともにいまだに説明すらもないが)「(5月)6月末を〆切として動かないと2026年度査定に間に合わないから、執行部は105分13回にすることにした」「(6/11三学部合同教授会後)5月の教授会での反発が大きかったため、急遽2択とすることにした(90分15回)」「6/17&18に学生への説明会を(開く予定はなかったが)開くことにした。」という旨の説明があり、この突貫変更の前提が「文科省側からの期限が迫っているから(議論する時間はない、丸呑みよろしく)」であることは教職員学生の共通認識だと思う。
 来年度の評価に向けて、そんなに急がないといけないものなのかと、学位認定機構のHPで「大綱」を調べてみるとタイムスケジュールが載っていた。「申請〆切は前年度の9月末、自己評価は当年度の6月末」とある。つまり、2026年度申請書の提出は、2025年9月末とある。私たちが今、迫られている決断の「〆切が6月末」は単なる学内〆切にすぎないことがわかった。
 ここまで大きな問題を学内の合意形成なしに執行部が突っ走るのは、大学全体として一つもよいことがない。急がば回れというように、ここは腰を据えて学内で問題を共有し、解決に向けて議論していくべきであろう。そして、その場は学生にも開かれていることが大事である。

④ 情報開示
1. 105分にする根拠を数字(予算/教育効果見込み)で示すべき。つまり、執行部で進めてきた議論のもととなった資料を全学に公開し、この混乱状況を速やかに鎮静化させるべきである。根拠を公開し、その是非を学内で議論討論し、合意形成をはかるべきである。
2. 6/11実施の教員向け2択アンケート結果はいつどこで見られるのか。

※6/9-16組合と学生有志が共同で実施した「授業時間組合アンケート」の結果は<速報ページ>で見ることができます。


組合ランチ 6/25(水)11:45~13:00
@海外事情研究所(講義棟427)
教員と学生の意見交換の場としたく、参集ください。(お弁当は持参でお願いします)

2025/06/16

組合ニュース-2025.6.16刊(2024年度第10号)

<授業時間問題> 大学とは誰か:岐路に立ったわたしたち
 去る6月11日、三学部合同教授会の直後に研究院事務課より各学部・研究科授業担当教員宛に「授業時間制度に関するアンケート調査」に関するメールが送られてきました。合同教授会の際に学長から教員の意向調査をする旨が示され、早速それが実行に移されたのだと思いました。フォームを開いてみて愕然としました。
 「本学が採用すべき授業時間制度について、以下よりご選択ください」とあり、その下にある3択。

A: 90分×15週
B: 105分×13週
C: 大学に一任する

次のページに行くと選択した理由を記述することができるようにはなっていますが、合同教授会で出された意見の大半は、「わたしたちにも選択権をください」というものではなかったと記憶しています。あの場で発言した多くの教員が望んでいるのは「どんな選択肢があり得るのか一緒に考え作りましょう」ということだったのであって、執行部が一方的に設定した選択肢のなかから選ばせてくださいというものではないはずです。執行部に属さない教員たちは授業時間制度について検討し提案する資格もないのでしょうか?
 現執行部のこのような姿勢は、Cの表現に端的に表れてしまっています。「大学に一任する」。この「大学」とはいったい誰のことなのでしょうか。現執行部は大学=執行部だと思い込んでしまっているのでしょうか? 国家と自己の区別ができなくなった独裁者の肥大した自己意識のようなものを現執行部が持ってしまっているとしたら、本当に悲しむべきことです。
 しかしこの命題には別の解釈の余地もあります。「大学(執行部)に一任する」と解釈するのではなく、「(全)大学(構成員)に一任する」と解釈することです。学生たちの声が次々と挙げられているように、この問題は全大学構成員に関わる重大な問題です。独裁か民主化かの岐路にわたしたちは立たされています。執行部の暴走はいますぐ止められなければなりません。

授業時間制度に関する問題を全大学構成員に一任せよ!

<授業時間変更問題の経緯>
1. 平成16年(2004)度【=法人化の年】以降、全ての大学は、(独法)大学改革支援・学位授与機構(「機構」)から認定証を受ける必要が生じ、7年以内毎に文科省の認証を得た大学機関別認定機関に査定を依頼しなければならない。(外語大の第1巡は2007年度、2巡が2013年度)

2. 第3巡2019年度に「基準6-4 学位授与方針及び教育課程方針に則して、適切な授業形態、学習指導法が採用されていること」において「不可」を受ける。→基準に満たない場合、次の認定までに機構に相談しながら改善する。→2021年機構に相談したものの「ALはシラバスの記載方法や実施方法を変えない限り授業時間と認め難い」と指摘される。→それ以降、学内全体に呼び掛ける形での点検や会議などがないまま、第4巡2026年度が来年に迫る。

3. 2026年度に査定を依頼しないと、機構から「認定証」がもらえない→文科省から大学認定取り消されるやもしれぬ→早急に2025年度内で授業時間を変更しなければならない。→とりあえず時間を増やす方向→「問題のALは廃止」「105分×13回」(早い段階でこの案に外語大の命運を賭すことを独断専行) →5月教授会で初めて学内向けに表明→2025年6月2日機構が警告「授業時間変更決定は、遅くとも変更前の2年前に行うべき」「授業の長時間化は非常勤講師に対する不利益変更となる」

4. 6月2日 学生有志が学内に情宣開始;9日 組合がアンケートを開始;11日 合同教授会

5. 6月11日教授会直後に教員対象に上記3択アンケートをとり、学内の総意を得たことにしようとしているかに見える。しかも、そのアンケートには非常勤講師は含まれていない。当然のように職員もはじかれている。「学生の意向調査をするつもりはない」とは学長の言。

<教職員の声・対案など>
・情報公開を始めたことは前進だが、情報を小出しにして意見調査をしたところで、討議・闘技なき集計は民主主義ではない。
・ALが問題だというが今まで本学は違法状態にあったのか? 違法だとすれば、今までの学生の単位の扱いはどうなるのか。違法でないのであればこのように唐突の変更を行う理由は何か。
・10年続けてきたALをこのように簡単に捨て去るのは、今までの学生の苦労を無にする行為だという自覚はあるのか? シラバスへの記載如何で認定の可能性があるなら、なぜ、語科・分野・学部・全学でその方向性を探らない/なかったのか;オンデマンドの可能性を探る
・105分の場合、非常勤講師給与上昇分の財源確保が必要;大きすぎる学生への影響への対応は?;図書館等利用施設の時間延長が必須だが予算はあるのか;長時間労働はジェンダー差別を助長する
・多くの語学が学べるのが売りなのだから、だが、授業が他大に比して多い。語学で取得できる単位を増やして、コマ数減を良しとしないのであれば、1コマの時間を例えば60分としてはどうだろうか。
・3学部共通授業の導入で教員の負担軽減を;留学に深刻な影響がないなら15コマも視野に


大学院生が労働組合?!-2022年カリフォルニア大のストライキ―
報告者:山田優理氏 5月21日(水) 17:45~19:30 @講義棟106(参加者33名)
参加後記 東京外国語大学 博士後期課程 C・H
(報告会の言葉から)「今の権利を勝ち取る運動をしてきた上の世代に続いて、
我々も10年後の誰かのための、環境を整えるために、動くんです」

 5月21日、山田優理氏をお迎えし、「大学院生が労働組合?」という題で、報告が行われた。冒頭、アメリカにおける労働運動の歴史をさらった後、授業みたいですねという山田先生のユーモアはさておき、大学という高等教育機関でユニオンの組織化や運動がどう展開されたか、キーワードとともに紹介がされていったのだが、今回を機に、なんとなく掴んでいた言葉がくっきりと色づいたような気分であった。例えば、バーゲニングであったり、山猫(ワイルドキャット)ストライキ、スキャビングなどであるが、実際どのような妥協を迫られ、内部でどのような調整や葛藤があったか赤裸々に語っていただいたことで、鮮明に想像を重ねることができた。いくら活動を尽くそうとも、時には譲歩を求められたり、非常にもどかしい経過になっていくことは、研究活動にも通じるものがある。それでも上の世代が活動を重ねたからこそ、今多少はましになっているかもしれない、何か進んでいるかもしれない、未来の世代を思ってまた地道に続けていくしかないという部分もまた然りであった。アイデンティティ政治についても言及があったが、働く環境に対する共通の問題意識を共有してさえいれば、その他は問わない、誰でも歓迎するという姿勢は時に、参加者にとっては「自分のアイデンティティがひとくくりにされた」もしくは「アイデンティティしか投影できるものがない」という反応に至ることがあるという。独りの葛藤と皆の問題意識、両者を並行世界にしないためにはどうしたらよいだろうか。
 もう一点、COLA(*編集部注《cost-of-living adjustment》生活費調整のこと。賃金決定の際に、物価上昇に伴う生活費の上昇分を予想しており込むこと。賃金の物価スライド制。)の概念も、テクニカルな要素を越え、実際に生活の中でやむにやまれず、求め、突き動かされる真剣さに、やっと触れることができたように思う。生活実感と結びつけるという意味では、家賃の高騰によって食費を切り詰めるほかなかった学生のエピソードは身につまされるものであった。他者起点の労働運動に対して、上辺の支持ではなく、自分事として捉えられるか否かは、いざ自分たちの生活に影響がで始めた時にこそ試されるのだろう。ストライキを起こした寮のスタッフらに対し、住民である寮生たちは、当初は食事の提供やゴミ出しが滞ることへの不満の声を上げたが、実際にスタッフらにインタビューをしたことで、他人事ではなくなる瞬間があったという。スタッフの働く環境がいかに不当なものであるか、トイレすらスタッフが使用可能な階は限られているというエピソードは、生の声を直接聞いて、ようやく腹の底まで届くというものである。
 質疑応答で、よく代弁していただいたとも思ったのだが、日本社会で生活していると、権利はお膳立てされているような所与の感覚に陥り、ルール上、社会の雰囲気上、という固定観念に縛られて、身動きが取れなくなることがある。制度の穴を突いて、周辺から変化を図るのも一つ手ではあるが、何よりも、「自分たちでつくっていくしかないという」意識を当然に捉えるほかあるまい。幾度となく強調されていた「社会にとって「良い」変化は下からしか来ない」というメッセージは、動画で目にした人々の呻り声と共にこれからも響き続けるだろう。
「社会にとって「良い」変化は下からしか来ないです。我々が下から変えていくしかないんです。」


組合員リレーコラム(3) 荒川慎太郎
読後雑感:『限界の国立大学―法人化20年、何が最高学府を劣化させるのか?』
(朝日新聞「国立大の悲鳴」取材班,2024.11,朝日新書)
 国立大学法人化20年を過ぎ、竹内亨2024『大学改革―自立するドイツ、つまづく日本』など、法人化の影響を論じる書籍も増えてきた。本書もその中の一冊と位置付けられる。平積みに目立つ帯で「残酷立 (ざんこくりつ) と呼ばれる理由」と付けているから、目にされた方、一読された方も多かろう。
 本書は6章からなり、「急速に悪化する国立大学の資金繰り」「研究する時間がない研究者たち」「不安定化する雇用」「大学の自治を奪うもの」のルポルタージュが記される。各章の配列にどうもつながりが感じられないのは、もともとデジタル記事で別個の連載だったためであろうか?
 設備の老朽化、授業料値上げ、運営費交付金の削減、若手研究者の雇用不安、教職員の多忙、学術会議問題、国立私立格差…と大学の問題がどれもこれも詰め込められているのが難で、各所で「問題」は挙げているものの、建設的な提言や解決案があるかというとそうでもない。この辺りは前掲『大学改革』に、(私自身は首肯できないものの)「各大学が強みを生かし特化し、多元的な競争を行う―分権的な選択と集中」のような提言を与える書の方を評価したい。
 また「トイレが改修できない!」など箱モノ(それも実験施設とかではなく!)の予算不備に読者をリーディングしがちで、職員の不足・待遇改善に踏み込んでくれないのも残念である。本書は多くのアンケート、インタヴューにより成り立つ。そしてインタヴューでは実際、「事務機能が低下している…事務方の機能の低下もあり…」(本書pp. 59-60)、「事務職員が減らされたことで…教職員が多忙化した」(本書p. 102) など、窮状が訴えられているのだから。
 一方で、同じくインタヴューの一節だが「法人化と運営費交付金削減を分けて論じるべき」など、重要な示唆も含まれる。もちろん、国立大学の現状・問題点を一般向けに示した点では価値ある一冊と言えよう。取材班には今後、「選択と集中」を推し進めた「国際卓越研究大学」制度への注視を続けて欲しい。 

2025/06/09

組合ニュース-2025.6.9刊(2024年度第9号)

 <緊急>授業時間延長(90分→105分)に対するアンケート
 大学当局が、教員や学生の意見を聞くことなく、一方的に来年度以降の授業時間延長(90分→105分、13コマ)とそれに伴う時間割の変更を行おうとしています。実は、この問題は数年前から予想され、文科省の認可を得るための期限が2025年6月と、あらかじめ決められていたとのこと。しかし林前学長は在任中に一言も触れずに任期を終え、現学長も学長選挙で触れずじまいでした。
 このように大きな問題を教員・職員・学生に知らせることなく、つまり、外語大に関わる人たちから考える時間を大学当局が奪い(2024年度の一年間を使って議論すればよかったではないか!)「仕方がない」の一言でなし崩しに決めていく姿勢を、組合は強く批判します。
 急ではありますが、6/11(水)開催予定の三学部合同教授会で学内意見として示すべく、回答可能な方は6/11朝10時までに、下記のリンクよりアンケートにお答えください。なお、今回のアンケートは非常勤講師の方たちにも回答いただきたく、全体の締め切りは1週間後6/17(火)までとさせてください。

<緊急>授業時間延長(90分→105分)に対するアンケート
※以下のリンクより、Googleフォームにてお答えください。

・・・・アンケート内容 1次〆切6/11am9時 最終〆切6/17(火)・・・・・
Q1 いつ知ったか?
1 以前から知っていた
2 5月の会議を通じて知った
3 6月はじめの学生の呼びかけで知った
4 今初めて知った

Q2 授業形態
1 変えないほうがいい(90分、13コマ、AL2回;17:30終了)
2 長くなってもいい(105分、13コマ;18:35終了)
3 90分、15コマ
4 よくわからない

Q3 予想される生活への影響(複数回答)
1 夜が遅くなり、今まで使えていた自由時間が無くなる
2 家庭や家族との生活に支障をきたす(食事の準備、子供の送迎、門限など)
3 5限授業の日が多くなると、退学・休学/退職・休職するかも(ケア問題)
4 (教員)授業準備の、(学生)予習・復習・課題の時間がなくなる
5 (学生)アルバイトの時間がなくなり経済的に困る
6 (学生)サークル活動の時間がなくなり、充実した学生生活を送れなくなる
7 平日5限後に研究会、読書会、講演会等が開催できない/に参加できない
8 愛校心が持てなくなりそう
9 そんなに長い授業に耐えられそうにない
10 長時間労働がさらなるジェンダー不平等につながる懸念
11 特になし

Q4 意見(自由記述)

F1 所属(教職員学生院生)

2025/02/26

組合ニュース-2025.2.26刊(2024年度第6号)

組合ランチ、3月18日(火)昼休み開催@海外事情研究所(講義棟427)
 2月13日に第3回組合ランチを開き、10名程度の参加がありました。話題として「非常勤の更新時」や「来年度のシラバス」などがでました。数名の初参加もあり、今後学内の交流の場になれればよいと思っています。話題として「新任教職員の勧誘会」「組合主催の勉強会・報告会」などについて話ができればと思っております。
 次回のランチ会は、火曜日を予定しています。これまで木曜日では参加できなかった方も、時間があればご参加ください。持ち寄りランチ会となりますが、ぜひ、情報交換/おしゃべりをしに、いらしてください。

非常勤職員の契約更新時の実態調査
 前回のニュースでもお伝えしましたが、非常勤職員の更新時に日数減を提示されるケースがあるようです。それを受けて組合では、大学全体の実態を調査することにしました。ご協力ください。
 以下のGoogleフォームより回答をよろしくお願いします。

2025/01/29

組合ニュース-2025.1.29刊(2024年度第5号)

1. 契約更新時に「日数を減らしてほしい」と言われたら?
 先日、「少し聞きたいことがあるのですが…」と、非常勤職員から問い合わせがありました。
「去年の契約更新時に、大学側から「時給が上がった分、働く日数を減らしてほしい」と言われて、解せないまま応じてしまったが、今年もそのような申し出がされた場合、どう対応すべきなのか」
という内容でした。
 応じる必要はありません。何のための時給UPでしょうか?労働者側からの申し出ならいざ知らず、雇用側が一方的に雇用条件を変更することはできません。
もしも何か言われたら、「今はよくわからないので、後ほど回答します」と言ってください。そして、組合に相談してください。

2. 年末の勤務日がいつの間にか減らされている件
 外語大ではいつの間にか年末最終日がクリスマスあたりとなってしまったようです。これらは休日扱いとなっており、常勤職員にとっては月給には響かない変更なのでしょう。しかし、日給支給の非常勤職員にとって、3~4日分の減給です。このような被雇用者側が不利益を被る変更に対しては、組合は申し入れを行ない、改善させたいと思っています。

3. 組合ランチ、2月13日(木)昼休み開催@海外事情研究所(講義棟427)
 12月19日に、第2回組合ランチを開き、前回に引き続き10名程度の参加がありました。職務上の困りごとや今後の組合活動といったまじめな話や、とりとめもない雑談を交えて、楽しい時間となっています。時間があればご参加ください。途中参加・退出も自由です。
持ち寄りランチ会となりますが、ぜひ、情報交換/おしゃべりをしにいらしてください。
※皆さんも何か質問や意見があれば、どうぞ組合メール(wu_tufs@yahoo.co.jp)にお寄せください。

2024/12/18

組合ニュース-2024.12.18刊(2024年度第4号)

〈総括〉学長選挙を振り返って

制度の問題――対話が難しかった学長選挙
 2024年度10月に行われた学長選において一番問題だと思われたのは、候補者指名・意思表明書公表の遅れ、ならびに左記公示日から意向調査日までの期間、つまり「選挙期間」が短すぎたことである。そのため、意思表明書の内容を学内の人々が熟読した上で候補者とじっくり議論する時間がほとんどとれなかった。複数の候補者が立つ意向投票であれば、複数の意思表明書を比較吟味し、投票に臨むこともできようが、立候補者が1名であった場合、それもできない。であれば、その立候補者の意思や構想についてより広く深く理解を得るための対話や議論が通常のケースよりも念入りに行われなければならないだろう。一義的に、大学は自治を有する機関であり、その長に対しては全構成員が信任を与えることではじめて運営される。意向調査は信任投票をも意味するのであるから、信任されるためには、投票権の有無にかかわらず、大学全構成員との意思疎通を図る多くの機会が必要である。それにも関わらず、今回の選挙では候補者がようやく10月4日に明示され、10月第3週に矢継ぎ早に、全体(対面)、各学部・AA研(Zoom)としかも短時間の所信表明演説会や討論会が開催された。そこでは、意志表明書への厳しく鋭い質問とそれへの回答に終始してしまい、実りある議論は展開されなかった。残念なことに、対話・議論を重ねることで相互理解と信頼関係を築ける可能性を最初から排除してしまうものとなってしまった。

 これに対して、本組合が主催した「学長立候補者と語る会」(『組合ニュース』No.2-3 参照)には、大学・学部側で準備した討論会とは異なって、常勤・非常勤職員、院生や学生からも予め質問を出してもらい、それらを候補者に提示し、回答を準備する時間的余裕をもたせた。組合側が用意した質問に対する丁寧な回答があり、またその後の懇談を通じて、学長候補者との対話の糸口がつかめた感触があった。

今後外語大が存続するためには――現場との対話でボトムアップ
 この体験を経て思ったのは、文系小規模大学である本学が「生き残る」ためには、学長を始めとする大学執行部と大学全構成員との間の対話を常に行う必要があるということである。そうすることで、学部生・院生・非常勤職員も含めた現場の意見をボトムアップして大学行政に活かし、その成果を全構成員に戻す。いわば、大学自治を取り戻すことが求められているのである。「語る会」では学部生・院生の意見が多く出された。なぜなら、彼らが普段直面している問題や要求を大学に訴え、構想などを語る場が制度上ないからである。それは非常勤職員も同じである。そういった場、つまり学生自治会、院生自治会、非常勤職員会等々といった組織をまず作り、各構成員が大学運営に参加する回路を開く必要があるだろう。同じ趣旨から大学構成員として学生や非常勤職員も学長に対する意向投票時の投票権を有するべきである。

法人化を経て「誰の場所でもなくなった」大学――「そして誰もいなくなる」前に
 当然のこととして各教授会も自治を取り戻す。「自治」を行う際に重要なのは、各構成員が「自分ごと」として大学の諸事万端に関与する意思と主体性を持てるかどうかということである。法人化して20年が過ぎたが、その新自由主義的大改革は、ある意味では1970年代以降自ら改革できなかった大学への外部からの改革要求・介入であり、大学が「他人ごと」になってしまった大学人への痛烈な批判でもあったことを思い起こす必要がある。同時に、法人化がどういう情況を生み出したのかをも改めて見直すべきである。少なくとも現在、大学において求められているのが、院生・学生ばかりか教職員・非常勤職員が共に過ごせ、コミュニケーションできる場、自分の居場所、「共属感」が作られる場である。別言すればそれが20年間で失われたものなのである。教員と学生、教員同士、教職員・非常勤職員が相互にコミュニケートすることで得られる教育・研究の成果は計り知れない。それを今こそ取り返すべき時である。先見の明のない押しつけられた計画、構成員を疲弊させるばかりの改革プランとその実践から、やる気に満ちた新たな教育・研究に対する構想を有し、主体的に実践する大学へ。あらゆるものを経済的側面から見て人間の意思を規制し、効率化・合理化を果たそうとする新自由主義的思想・実践はもう旧い。むしろ、個々人の意思に基づく選択と自由を尊重することで「人」を発展させる本来の自由主義思想とそれを実現するための民主的制度の一つとして大学を考え直してみるべきではないか。
(文責 古川高子)


12月24日最終日に思う――特別休暇扱いもなく?
 私は時給労働者である。ゆえにこの年末は非常に腹が立つとともに頭を抱えている。第一に、勤務日を減らされると給料が減る。第二に、勤務日が減ると作業時間が減る。「論集」と「大学院論集」の校正編集という職務上、現在が一番忙しく、毎日超過勤務をしても追いつかないほどだ。それなのに、今年は、年内最後の勤務日が12/24㈫となった。授業最終日と同日である。誰が決めたかは知らないが、大学は授業をやっているだけではない。職員には授業最終日が終わってからもやらねばならぬ仕事がいくつもある。まさか、休日が増えたからいいでしょ?くらいの軽さで決めたのではあるまいな。
 しかも年初1/6㈪は授業開始日でもある。大学は、職員のことを何だと思っているんだろうか。機械と同じように、使わない間はスイッチを切って、使うときにスイッチを入れれば、すぐに動き出すとでも思っているのだろうか?少なくとも、非常勤職員に対して休業補償位はせよ、と言いたい。
 悪しき前例とならないように、今後は有給取得日とするように改善を望む。
(菊池)


組合ランチ、12月19日㈭昼休み開催@海外事情研究所(講義棟427)
 学長選挙を振り返る、という名目で11月7日㈭に組合ランチを海外事情研究所で開き、12名の参加がありました。「なかなか同僚と話す機会がないので、このようなランチ会があるとありがたい」という声が複数あり、組合としては毎月中旬あたりに一度、ランチ会を開催することにしました。12月は19日です。ニュース配付日の次の日となり、行き届かない中ですみません。次回開催は余裕を持ってのお知らせとしますので、時間があればご参加ください。持ち寄りランチ会となりますが、ぜひ、情報交換/おしゃべりをしに、いらしてください。

※皆さんも何か質問や意見があれば、どうぞ組合メールにお寄せください。

2024/10/21

組合ニュース-2024.10.21刊(2024年度第3号)

 <報告>学長立候補者 春名展生さんと語る会
参加者27名(2024年10月16日(水)17:45~19:30)

 先日行われた会について報告します。参加者は27名で、当初1時間の予定が1時間45分となってしまいました。改めてお付き合いいただいた春名候補者に謝意を表します。参加した学生院生からは質問や意見が多く寄せられ、候補者からはその都度返答がありました。こうした候補者の「意見を聞く態度」は評価したいと考えます。あとは、そうした意見をどの程度、今後の外語大のかじ取りに反映していくか、です。学務である会議を実りある議論の場とし、教務である講義や研究に余裕を持って対応できるような大学とすべく、組合は今後も意見を提案していく予定です。
皆さんも何か質問や意見があれば、どうぞ組合メールにお寄せください。


<開講科目数が「多すぎる」問題>
〇教員が研究時間を確保できないほど忙殺されている状況をどのように改善できるか?
(春名)開講科目数を減らすことで、研究時間が確保でき、論文執筆などにもつながると考える。
科目数の多さは、学生が選択する際の負担になっていると考えているので、削減はしていきたい。

※関連質問 開講数は多いが、自由度が少ない(学部の壁を越えて履修できない)問題について
(春名)改善すべき問題だとは認識している。すぐにはできないだろうが、取り組みたい。


<財政難からくる人件費が低い問題>
〇外国人教員について、円安や給与削減による給与問題で、人材獲得が困難になることへの対策は?
〇非常勤職員の賃金が低く、求人募集に人が集まらないことへの対策は? 例えば、募集する人材レベルに対して賃金が低いこと(時給1200円の人にTOEIC700点以上を望むなど)をどう考えるか?
〇学生バイトの謝金がほぼ最低賃金レベルであるので、改善を検討しないか?
(春名)できることなら改善したいが、予算がないので不可能。
(春名)人事院の勧告に従って、正規教職員の給与や事務補佐などの時給はあげている。

※関連質問 特定教員・特定外国語教員など、人事院の勧告と関係ない役職の場合、給与が上がらない問題があるが?
(春名)今すぐ答えられる知識がないので、後で検討したい。

※関連質問 国大協を通じて文科省への申し入れなどは、考えていないのか。
(春名)申し入れは繰り返し行っているが、実現は難しい。短期的な達成は無理なので、「社会との連携」を通じて外語大の存在を認識してもらい寄付につなげ、財源としたい。現在の対予算運営交付金50%の依存の状態を少しでも減らしていきたい。
(春名)多少賃金が低くとも、魅力ある職場として働いてもらえる大学にしたい。


<教員の学務の多さ問題>
〇大学業務の割り振り等が、立場の高低を通じて個人指名の形となっている現状を把握しているのか?
(春名)私も実感している。これまで「予算がとれるプロジェクト」にできる限り手を挙げ、予算を獲得してきた。プロジェクトのたびにWGをたちあげ、その構成員には若手教員が割り振られ、一人当たりの学務(会議)の数が尋常ではなかった。今後は獲得すべきプロジェクトを精査する。


<職員が多忙である問題>
〇職員の多忙さへの改善策は? 特に、特定の個々人に業務が集中している現状の改善について。メンタル+フィジカルな面でフォローすることは可能か?
(春名)まずは全体的な業務の削減を行いたい。電子化を進めることで業務は削減できると考える。
(春名)スキルアップのための研修は開いていきたい。
(春名)現在はメンター制度というものがあるので、そちらがうまく機能するようにしていきたい。

※関連意見 
一つの職場が派遣など職位の違う人たちで構成されている。立場の違いはすなわち賃金の違いなので、賃金の低い立場からすると、同じような業務でなぜ、というメンタル的圧迫感がある。


<マイナンバーカード>
〇マイナンバーカードを学生証や職員証のように使うのかどうか? 
(春名)使う予定は全くない。


<学費問題>
〇本学における学費の値上げについてはどのように考えるか?
(春名)学費を上げるつもりはない。ただし、文科省が値上げをする場合、拒否はしないだろう。

※関連質問 大学院についてはどうか?
(春名)大学院後期で、3年分の学費で5年在籍できるような制度が可能であれば導入したい。


<学生院生との交流について>
〇現学長は学生・院生との交流を重視しているが、これを引き継ぐ意思はあるか? 
(春名)より積極的な形で、引き継いでいきたい。


<コロナ以降、図書館が20時閉館のままである問題>
〇院生研究室や図書館等の利用時間の延長を希望する院生(特に留学生)が多いが、院生の研究環境の整備・改善について、どのように考えているか?
(春名)図書館については、9月(会では8月と発言したが、訂正)の1日平均利用者が13人、3月が8人であったことから、延長することは難しいと思っている。10月に学生への希望調査が行われるので、それを見て待ちたい。

※関連意見 その時期は学生が留学している時期なので、その数字を根拠にされても困る。
※関連意見 コロナ以前に戻す(22時閉館)つもりがないのは問題。22時まで開いてる場合の自身の研究時間の割り振りと、20時で閉まる場合の時間の割り振りでは全く異なってくるからだ。最低でも1年間は22時閉館を実施してから「図書館の延長はできない」というべき。


<コロナ以降、院生研究室が20時に閉まることを含め院生の研究環境の問題>
〇院生室をせめてコロナ以前の22時まで開室に戻してほしい。
(春名)院生研究室開室時間の延長については考えていきたい。調査をして改善していきたい。 

〇院生室に各人の机がないなど、研究環境が整っていないことについて
(春名)改善は考えたい。

※関連質問 
アカデミア以外のキャリアとしてMIRAI基金をもらえることになったが、奨学金ではないので所得税がかかり、手元に残るお金だけで東京で生活するのはきつい。社会との連携活動に対する対価がないため、その代わりにバイトをしたり、研究に打ち込める時間に回した方がよいのではないかと思ってしまう。収入が少ないため、家賃を支払えなくなって、自宅通学となるので、大学からの距離が遠くなる上、院生専用の研究スペースもないため、大学まで来るインセンティブに欠けている日々である。大学での交流の場を(物理的に)設けてほしい。
(春名)貴重な意見だと思う。今すぐの改善策はないが、考えさせてもらいたいと思う。


<学生からの質問 国際化や外語大らしさを出すためにしてほしい3つのこと>
1 人口芝生の運動場を有効に使い、運動会/体育祭を開催しては? (ボート大会の代わりに)
2 学長選挙に学生も参加できるようにすべきでは?学生組合を作りたいのだが。
3 カフェの誘致
(春名)
1 開催するのは面白いかもしれない。
2 学長選考に学生が入ることは大事である。学生自治会の組織化についても重要だと思う。実際に学長選挙制度をどうやって変えていくべきかは今はわからないが、可能であれば取り組みたい。
3 学生数が少ないため業者にうまみがなく、誘致ができないのが現状である。
※関連意見 学生の細かい希望の聞き取りをやってほしい。


<学生からの質問 国際交流会館に日本人学生の入居が事前告知がないまま制限された問題>
〇寮は留学生と日本人学生相互の交流の場であり、教育の場であるので重要ではないか?
(春名)交換留学生の数が増大したため制限せざるをえなかった。私としては、正規留学生に寮を提供したい。寮が国際交流の場であることは十分に理解しているが、物理的に部屋数が不足しているので、近隣大学とともに、共同利用できる寮を建設できるよう要求していければと考えている。日本人学生が入居するのはここ数年は難しい。2026年度からは少し改善されるかもしれない。


<職員からの質問 アドミニストレーションに特化した学長について>
〇大学法人が補佐する理事3名については予算が付くが、本学独自の制度として副学長を自腹で4人任命している。4人は多いと思うが?
(春名)今後は減らしてもよいだろうが、役割分担しながら次世代の指導部を育成するという意味がある。

〇大学の経営者たる学長が授業を持つのは、教授会に服することになるゆえ、矛盾しないか。授業は受け持ってほしくないのだが? 
(春名)私自身は、授業を受け持つことは続けていきたいと考えている。その調整は考えていく。


<学生からの質問 外語祭の語劇練習のための教室予約が蔑ろにされている問題>
(春名)予約システムを一本化すれば、起こらないのではないかと思う。


<院生からの質問 専門職のためのカリキュラムがない問題>
〇学部のカリキュラムに現在は通訳コース(専門職を目指すカリキュラム)がなく、過去にあっても英語だけだった。外語大として、恥ずかしいのでは? 
(春名)それは全くその通りなので、そういう職業的カリキュラムはとりいれていきたい。


<投稿意見> この数日間、春名氏の「意志表明」をめぐって、大学の将来について、国際日本学部を中心にした日本語教育・留学生受け入れを今後の改革の柱にするとどうなるか、その是非を論じることができた。それは春名氏に対しても感謝したいが、その改革構想は国際社会学部や言語文化学部、AA研をまきこんだものにならないことがわかった。それは現行の三学部体制の是非を論じる事でもあっただろう。本学のリソースを生かした、可能かつ必要な教学プランの対案は、アジア・アフリカ研究を中心にした学部・大学院改革の構想ではないだろうか。日本語教育・留学生受け入れもその構想のなかに位置付け直してはどうだろうか。これからの4年間、そうした方向性での議論がまったくできなくなるかもしれない――いまこそ議論すべきだと思う。(友常勉・前組合委員長代理)