委員長、書記長がそれぞれ交代しました。
友常勉委員長代理・書記長が大学執行部へ異動するのに伴い、委員長に古川高子さんが、書記長に大石高典さんが、それぞれ就任しました。
古川高子委員長
今年度、教職員組合委員長に就任しました古川高子です。私は、博士課程の院生時代に教務補佐員 (非常勤職員)として働いていましたが、丁度2004年、国立大学が法人化され、有期雇用制度が本格的に導入されようとした際に、首切りにあっては生活ができないという切羽詰まった思いから、組合に支援と協力を求めて加入しました。その時に助けていただいて以来、組合とは長いお付き合いで、バイト専従からいつの間にか執行委員に、 そして今度は委員長になってしまいました。まだまだ実感が湧かないのですが、なぜ20年以上も組合にいるのかについて思い返してみたことをここに記し、挨拶に代えさせていただきたいと思います。
組合という「場」だから話し合える一一身近な労働問題も、国立大学の問題も
組合という存在が私にとって大事なのは、普段あまり接触のない方々との出会いや結びつきを与えてくれる貴重な場所だからです。所属する学部と大学院に関係する教職員としかふれ合う機会がなかった私は、組合での活動を通じて他の部局であるAA研、留日センターや事務棟の方々、さらには他大学の組合員とも交流することができ、視野が広がりました。様々な事柄について多様な考えをもった人々が相互の存在を認め合いながら対等に意見をぶつけ合い、本音で議論ができる、組合はそういう場所でした。何か困ったことを抱えてしまった人々から話を聞くことで何が問題なのかをあぶり出し、その解決方法を皆で考えて、本人の希望に添うようできるかぎり支援する。大学という職場にあって、一身上の問題について何でも話せる場。そういう点が魅力的だったのだと思います。
産業資本主義社会が拡大した19世紀から、組合活動は世界各地で様々な形で行われてきました。それは、21世紀の情報資本主義社会の現在においても変わらないですし、むしろ必要 とされてもいる。「知」の部門での国際競争や厳しい財政に直面している政府は、ますます国立大学に圧力をかけてきています。その影響は国立大学で働く人々、常勤・非常勤を問わずあらゆる教職員に及んでいる。大学を「個」として競争させる方向性は、大学内の各部局へと、そして各「個人」としての教職員へと向かっていく。かつての自由主義社会における「個」の重視には、「個」を尊重する思想や将来的なヴィジョンが含まれていましたが、この新自由主義社会においては、それらも欠落し、ヒエラルヒーをもったシステム内での単なる資金獲得競争へと平準化され、教職員もそれに巻き込まれ、管理ばかりが強化されています。このような社会において生身の肉体を持った人間が生きる意志をもって暮らすためは、その圧力に抗する必要がある。但し、それは「個人」一人ではできません。そんな時に、悩みを打ち明けられる場、苦楽を共にできる場が組合であって欲しい。そういう場所を一緒に作っていきましょう。何か悩み事 ・困ったことがあれば、 是非、声をかけてください。お待ちしています。
産業資本主義社会が拡大した19世紀から、組合活動は世界各地で様々な形で行われてきました。それは、21世紀の情報資本主義社会の現在においても変わらないですし、むしろ必要 とされてもいる。「知」の部門での国際競争や厳しい財政に直面している政府は、ますます国立大学に圧力をかけてきています。その影響は国立大学で働く人々、常勤・非常勤を問わずあらゆる教職員に及んでいる。大学を「個」として競争させる方向性は、大学内の各部局へと、そして各「個人」としての教職員へと向かっていく。かつての自由主義社会における「個」の重視には、「個」を尊重する思想や将来的なヴィジョンが含まれていましたが、この新自由主義社会においては、それらも欠落し、ヒエラルヒーをもったシステム内での単なる資金獲得競争へと平準化され、教職員もそれに巻き込まれ、管理ばかりが強化されています。このような社会において生身の肉体を持った人間が生きる意志をもって暮らすためは、その圧力に抗する必要がある。但し、それは「個人」一人ではできません。そんな時に、悩みを打ち明けられる場、苦楽を共にできる場が組合であって欲しい。そういう場所を一緒に作っていきましょう。何か悩み事 ・困ったことがあれば、 是非、声をかけてください。お待ちしています。
大石高典書記長
大学院総合国際学研究院所属の大石高典です。この度、教職員組合の書記長の役目を仰せつかりました。私は、2016年度に東京外大初のテニュアトラック教員として赴任しましたが、当時のテニュアトラック制度は運用が開始されたばかりで不安なことが多くありました。そのような際に、同じ境遇の同僚と教職員組合に駆け込んで親身に相談に乗っていただいたことがうれしくて一組合員として加入しました。教職員組合では、実に様々な立場の外大を職場とする人たちと出会うことができました。そして、普段とは違う角度から大学という場が見えてくることを新鮮に感じています。近年、日本社会のあらゆる場面で「自己責任」の考え方が浸透し、人びとのつながりを見えにくくする傾向があるのを感じます。そういう状況だからこそ、せめて同じ場を共有して働く者どうしが、困った時に、打算やイデオロギーのためではなく、互いの状況への感興をもとにサポートしあえる、そんな関係性を作っておくことが大事だと思っています。赴任8年目で無知なことが多いですが、自分のできる範囲で組合活動に貢献できればと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
<次号予告 >
■マイナンバーカードで学生を管理した先には…?■
先日ニュースとして世間にも明らかにされた、文科省の「マイナンバーカードを学生証のように用いて学生管理に使うことで交付金の額があがる」件について、当組合では、強く反対を表明する。詳細記事は次号で。
先日ニュースとして世間にも明らかにされた、文科省の「マイナンバーカードを学生証のように用いて学生管理に使うことで交付金の額があがる」件について、当組合では、強く反対を表明する。詳細記事は次号で。
■総会告知■
2023年度総会を近日中に開きます。
例年通り7月半ばあたり、今年度もzoomによる開催を予定しています。よろしくお願いします。