2021/04/18

組合ニュース (2021.04.14)

  

組合ニュース 2020年度第6号 (2021年4月14日)

 




3月30日 団交報告

 教職員組合は、2021年3月30日に以下の申し入れ項目のもとで、大学当局と団交をおこなった。

 組合からは執行委員・組合員、大学からは、今井理事・副学長、水村課長ほか人事労務課、および君塚部長が参加した。

  1. 非常勤職員の60歳定年の引き上げについて、進捗状況を質したい。
  2. 非常勤職員の時給アップについて、進捗状況を質したい。
  3. 業務委託につながる「特定非常勤講師制度」の見直しを含めて、その詳細を問い質したい。
  4. COVID19下での在宅勤務の状況について、非常事態宣言明けにともなう出勤が要請される職場があるようだが、制度化するなりして在宅勤務の権利を守るようにすべきである。

 1については、国家公務員法改正による定年引上げを待ってからという従来の回答。これに対しては、常勤職員の定年引上げのあと非常勤職員という順序があるのは差別ではないか、法人化されているのだから東京外国語大学独自の判断で非常勤職員定年引上げは可能であるなどの点から反論した。なお組合がおこなったアンケート(24件の回答)をふまえても、非常勤職員定年の引き上げは必要である(後日報告したい)。君塚部長は“(非常勤職員の定年見直しが)まったくないかといえば、そのかぎりではない”と述べている。可能性がないわけではないということである。組合としては今後も要求を続けていく方針を確認した。

 2については、組合の事項ではないとしながらも、謝金単価の見直しとあわせて議論した。「謝金」といいながらも、実際には雇用に近い就労形態や就労内容となっているのが現状だからである。これについても国家公務員の水準に合わせているとの答弁であった。組合としては労働内容が高度になっており、それに見合う賃金・謝金とすべきことを要求した。

 3については、「業務委託」と雇用の解釈をめぐって、議論が平行線となった。これについては組合員からの批判をニュースに掲載しているので、参照してほしい。この批判にあるように、「業務委託」は撤回すべきである。

 4については、団交終了後の3月31日に、人事労務課から以下の連絡があった。「昨年度末より、コロナ対応のために臨時的措置として実施してまいりました在宅勤務制度について、この度規程等の整備をいたしまして、恒常的な制度として導入することといたしましたので、お知らせいたします」

 このように、在宅勤務について2021年度より正式な制度として大学として推進する方向になった。このことは労働者として歓迎したい。ついては、働きやすい環境にするために、この制度が、正規職員も非正規職員も区別なく、大学のすべての部署で円滑に運用されるように注視していきたい。


非常勤職員へのタイムカード導入に抗議する!

 2021年3月30日深夜、人事労務課は非常勤職員のタイムカード導入について一方的に連絡してきた。

 「非常勤職員の勤務管理に係る就業管理システムの導入について(通知)教職員の皆様   この度、職員の適正な労務管理に資することを目的として、非常勤職員への勤務管理に関し、就業管理システムの導入を行うことといたしましたので、お知らせいたします。

 非常勤職員の雇用責任者及び勤務時間管理担当者の方は、雇用する非常勤職員の方へ周知くださいますようお願い申し上げます。また、非常勤職員の方は添付資料により利用方法を確認の上、勤怠登録をお願いいたします。」

 タイムスタンプ(タイムカード)の導入は、労働時間の強制的延長につながる。実際に既に導入されている正規職員においては、PCを立ち上げるために従来よりも5~10分程度早く着席する姿が見受けられる。正規よりも弱い立場にある非正規職員は、この導入により、不要なプレッシャーを受け取っている。

 組合としては、タイムスタンプは「勤労時間数の管理」に用いるものであり、「勤務時刻の管理」には用いない、ということを執行部に確認すべきだ。更には、こうした不要の圧力を生むタイムスタンプの導入は再考すべきだということを申し入れるべきである。(オンラインでの「勤務時間数の管理」については良いとする)

 本学は、正規職員80名程度の小さな大学である。非正規職員は平成元年度事業報告書によれば96名とある。疑問としては、この人員サイズに対して、今回のシステムの導入コストはいくらで(今後の保守管理額は?)、どれくらいの利益があると判断したのか。(システム導入に伴い軽減される時間管理員の仕事量<導入コストとなるのか?)
 

「特定非常勤講師」制度による「業務委託」導入を批判する! いますぐ撤回を!

 2月に、非常勤講師に対し教務課より契約形態について通知が来ました。オンデマンド授業を行う者と海外居住者は、雇用ではなく「業務委託」にするというものです。(説明や相談もなく、意向も聞かない一方的な通知であり、文書もなく1通のメールのみであることにも扱いの雑さを感じます。)雇用ならば、立場の強い大学から、立場の弱い講師の権利を労働法が守ってくれますが、業務委託になれば、解雇や雇止めも業者相互の民法的な係争にすぎません。今後1、2年で予想される具体的な問題としては、受講登録者ゼロの場合の支払いはどうなるか、講師都合の休講、大学都合や災害などによる休校などのときの支払いがあります。外務省研修所ではすでに、各授業の開催による支払となっており、受講生欠席による休講でも支払われなくなっています。3/30団交では、海外校の教員などに本国にいたまま授業依頼できるようにするため、との説明でしたが、今回、従来の講師にもオンデマンド授業を選択し、結果的に業務委託になった者がいるとのことでした。目的限定的として導入した業務委託は、すでにふつうの非常勤講師に拡大されているわけです。業務委託による労働者としての権利の剥奪の危機は、非常勤教職員全体に、さらには常勤教職員にも迫ってきているので、ここで食い止める必要があります。



蒲生慶一先生の急逝を追悼する

 本年3月26日、蒲生先生が急逝された。蒲生先生には集中講義や重要な案件で何度もお世話になった。経済学の専門的な論文の解説をしてもらい、貴重なアドバイスをいつもいただいていた。頭が下がる思いであった。蒲生先生の体調が思わしくないことは聞いていたが、数年間にわたって、大学運営にかかわる業務を負担され、深更に及ぶ残業があった。何度か深夜12時を越えるころ、キャンパスでお見かけした。過労が蒲生先生の身体を蝕んだのは否定できないと思う。私は組合員として、それに対処できなかったことを悔やむ。いまさら遅いのだが。ご冥福をお祈りします。(友常)